創立総会は、募集設立で株式会社を設立する場合に、払込み後の設立時株主が集まり、設立に関する重要事項を確認・決議する総会です。発起設立では通常登場しませんが、募集設立では、設立時募集株式の払込みの後、発起人が遅滞なく招集する必要があります。
創立総会では、設立に関する事項の報告、設立時取締役・設立時監査役等の選任、必要に応じた定款変更、設立廃止、種類創立総会の要否、議事録の作成・備置きなどを整理します。招集通知や議決権計算を誤ると、設立登記や成立後の株主関係にも影響するため、単なる形式手続として扱わないことが重要です。
本記事では、創立総会の手続について、招集、通知、議決権、決議要件、議長・説明義務、議事録、決議・報告の省略、種類創立総会までを、募集設立の実務に沿って整理します。
- 創立総会は、募集設立で設立時募集株式の払込みがされた後に、発起人が招集する設立時株主の総会です。
- 創立総会の権限は、会社の設立に関する事項に限られ、設立後の通常の株主総会とは役割が異なります。
- 招集通知は原則として創立総会の日の2週間前までに発しますが、非公開会社では短縮できる場合があります。
- 議決権は原則として設立時発行株式1株につき1個で、決議要件は通常の株主総会とは異なるため注意が必要です。
- 設立時株主全員の書面又は電磁的記録による同意がある場合、決議や報告を省略できる場面がありますが、議事録・同意書面等の保管は必要です。
坂尾陽弁護士
執筆者:弁護士 坂尾 陽(企業法務・M&A担当)
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創立総会とは
創立総会とは、募集設立において、設立時株主を構成員として開かれる総会です。株式会社は、発起設立又は募集設立の方法で設立できますが、創立総会が問題になるのは、発起人以外の者にも設立時発行株式を引き受けてもらう募集設立の場合です。
会社法65条は、設立時募集株式の募集をする場合には、発起人が、払込期日又は払込期間の末日のうち最も遅い日以後、遅滞なく、設立時株主の総会である創立総会を招集しなければならないと定めています。
創立総会は、設立前の会社の最終確認の場です。会社がまだ成立していない段階で、設立時株主に対して設立に関する事項を報告し、設立時取締役等を選任し、必要があれば定款変更や設立廃止などを決議します。
創立総会に関する条文は、会社法65条から87条を中心に確認します。条文の原文は、e-Gov法令検索「会社法」で最新の内容を確認してください。
創立総会は募集設立のどの段階で行うか
創立総会は、設立時募集株式の募集・申込み・割当て・払込みの後、設立登記の前に行います。募集設立では、発起人以外の引受人が設立時株主になるため、払込み後に設立時株主を構成員とする創立総会を開き、設立に関する事項を確認する流れになります。
| 段階 | 主な手続 | 創立総会との関係 |
|---|---|---|
| 定款作成・認証 | 発起人が原始定款を作成し、公証人の認証を受ける | 創立総会の前提となる設立内容を固める |
| 設立時発行株式の設計 | 株数、払込金額、資本金・資本準備金などを決める | 設立時株主の議決権や株主構成に影響する |
| 設立時募集株式の募集 | 募集事項を決め、申込み・割当てを行う | 創立総会の構成員となる設立時株主が決まる |
| 払込み | 発起人と引受人が払込金額を払い込む | 払込期日又は払込期間末日の後、遅滞なく創立総会を招集する |
| 創立総会 | 設立事項の報告、役員選任、必要な決議、議事録作成 | 設立登記へ進む前の確認・意思決定を行う |
| 設立時取締役等による調査 | 払込み、現物出資、設立手続等を調査する | 創立総会で選任された設立時役員が調査を行う場面がある |
| 設立登記 | 本店所在地で設立登記を申請する | 創立総会議事録や関連書面が登記添付書類になる場合がある |
募集設立の全体像は、募集設立とは|設立時募集株式・創立総会・払込までの実務フローで整理しています。創立総会だけを切り出して考えるのではなく、募集事項、払込み、保管証明、設立時役員選任、登記添付書類まで一連の流れで確認することが重要です。
創立総会で扱う主な事項
創立総会は、設立前に開催される総会であるため、設立後の会社経営全般を自由に決める場ではありません。会社法66条は、創立総会の権限を、会社法の設立に関する規定に定められた事項と、株式会社の設立の廃止、創立総会の終結その他株式会社の設立に関する事項に限っています。
| 区分 | 主な内容 | 実務上の確認ポイント |
|---|---|---|
| 設立に関する事項の報告 | 発起人が株式会社の設立に関する事項を創立総会に報告する | 払込み、募集、現物出資・財産引受け、検査役報告などを整理して説明できるようにする |
| 設立時役員等の選任 | 設立時取締役、設立時監査役、設立時会計参与、設立時会計監査人などを選任する | 就任承諾書、印鑑証明書、本人確認証明書、欠格事由を確認する |
| 設立時役員等の解任 | 会社成立前に、選任された設立時役員等を解任する | 選任方法が種類創立総会による場合には、解任にも種類創立総会が関係することがある |
| 定款変更 | 創立総会で定款を変更する場合がある | 発起人による変更禁止との関係、種類株式がある場合の特則を確認する |
| 発行可能株式総数 | 定款で定めていない場合などに、創立総会で発行可能株式総数を定める場面がある | 設立登記事項との整合性を確認する |
| 設立廃止 | 株式会社の設立をやめる決議をする | 払込金返還、設立費用、対外契約、発起人責任を整理する |
| 種類創立総会 | 種類株式に関する定款の定めにより、種類ごとの設立時株主の決議が必要となる場合がある | 普通株式だけでなく、種類株式を設計する場合は早期に確認する |
設立時役員等の選任は、設立時取締役・監査役の選任方法|就任承諾・印鑑・欠格事由を整理、設立時代表取締役は、設立時代表取締役の選定|代表権・権限・登記のポイントも併せて確認してください。
創立総会の招集手続
創立総会を招集するのは発起人です。募集設立では、設立時募集株式の払込み後に創立総会を行うため、払込期日、払込期間、保管証明書の取得時期、招集通知の発送期限、設立登記の予定日を逆算して日程を組みます。
招集するときに決める事項
発起人が創立総会を招集する場合、会社法67条により、少なくとも次の事項を決めます。
- 創立総会の日時及び場所
- 創立総会の目的である事項
- 書面による議決権行使を認める場合はその旨
- 電磁的方法による議決権行使を認める場合はその旨
- その他法務省令で定める事項
設立時株主が1,000人以上いる場合には、書面による議決権行使を認める事項を定める必要があります。中小企業の募集設立で設立時株主が少数であれば実務上は少ない場面ですが、外部投資家や多数の関係者を募る設計では注意が必要です。
招集通知の期限
創立総会を招集するには、原則として、創立総会の日の2週間前までに、設立時株主へ通知を発します。ただし、設立しようとする会社が公開会社でない場合には、書面投票・電磁的方法による議決権行使を定めていない限り、1週間前までに短縮できる場合があります。さらに、取締役会設置会社でない非公開会社では、定款で1週間を下回る期間を定める余地があります。
| 会社・手続の類型 | 通知期限の考え方 | 注意点 |
|---|---|---|
| 原則 | 創立総会の日の2週間前まで | 公開会社や書面・電磁的方法による議決権行使を定める場合はこの基準で確認する |
| 非公開会社 | 一定の場合に1週間前まで | 書面投票又は電磁的方法による議決権行使を定めた場合は短縮できない |
| 非公開会社かつ取締役会非設置会社 | 定款で1週間より短い期間を定められる場合がある | 定款記載と招集通知の証拠化を確認する |
通知方法と参考書類
招集通知は、書面投票又は電磁的方法による議決権行使を定めた場合や、設立しようとする会社が取締役会設置会社である場合には、書面で行う必要があります。設立時株主の承諾を得れば、一定の場合に電磁的方法で通知できます。
書面による議決権行使を認める場合には、創立総会参考書類と議決権行使書面の交付が必要になります。電磁的方法による議決権行使を認める場合にも、参考書類や議決権行使書面に記載すべき事項の提供が問題になります。
法令上、通知方法が常に同じとは限りませんが、募集設立では後日の登記・株主関係・説明責任の観点から、通知日、通知先、通知内容、同意の有無を証拠として残すことが重要です。少数の設立時株主であっても、メールだけで済ませず、同意書面や送付記録を整理しておくと安全です。
招集手続を省略できる場合
創立総会は、設立時株主全員の同意があるときは、招集手続を経ることなく開催できます。これは、招集通知を出さずに創立総会を開催するための省略手続です。
ただし、書面による議決権行使又は電磁的方法による議決権行使を認める事項を定めた場合には、招集手続の省略はできません。書面投票・電磁的方法による投票を認める場合には、設立時株主が資料を見て議決権を行使する前提となるため、招集通知や参考書類の手続を省略できないためです。
| 省略の種類 | 意味 | 必要な同意・書類 |
|---|---|---|
| 招集手続の省略 | 招集通知を経ずに創立総会を開催する | 設立時株主全員の同意 |
| 決議の省略 | 実際に創立総会を開かず、提案を可決する旨の決議があったものとみなす | 議決権を行使できる設立時株主全員の書面又は電磁的記録による同意 |
| 報告の省略 | 報告事項について、創立総会への報告があったものとみなす | 設立時株主全員への通知と、全員の書面又は電磁的記録による同意 |
実務では、この3つを混同しないことが重要です。招集手続を省略して実際に創立総会を開く方法と、決議・報告そのものを省略する方法では、作成すべき書類や議事録の記載内容が変わります。
創立総会の議決権と決議要件
創立総会では、設立時株主が議決権を行使します。原則として、設立時株主は、引き受けた設立時発行株式1株につき1個の議決権を有します。単元株式数を定款で定めている場合は、一単元の設立時発行株式につき1個の議決権となります。
種類株式を発行する場合、議決権を行使できる事項が制限されている種類の設立時発行株式については、その制限に対応する範囲で議決権を行使します。ただし、株式会社の設立の廃止については、設立時株主は、その引き受けた設立時発行株式について議決権を行使できます。
通常の決議要件
創立総会の決議は、当該創立総会で議決権を行使できる設立時株主の議決権の過半数であって、出席した設立時株主の議決権の3分の2以上に当たる多数で行います。設立後の一般的な株主総会決議と同じ感覚で処理すると誤りやすいため、議決権の総数と出席議決権の双方を確認します。
定款変更などの特別な場面
全部の株式について譲渡制限を付す定款変更など、会社法上特別の決議要件が定められている場面があります。また、設立時取締役を複数選任する場合に、累積投票の請求がされると、議決権の計算方法が変わる場合があります。
定款変更、種類株式、設立時役員の選任、発行可能株式総数の定めは、創立総会の中でも特にミスが起きやすい領域です。必要に応じて、会社法65条〜83条|創立総会の招集・議決権・決議・議事録・省略、会社法84条〜87条|種類創立総会・設立に関する事項の報告、会社法88条〜92条|設立時取締役等の選任・解任も確認してください。
書面・電磁的方法による議決権行使
書面によって議決権を行使した場合や、電磁的方法によって議決権を行使した場合、その議決権の数は、出席した設立時株主の議決権の数に算入されます。したがって、決議要件を確認するときは、会場に実際に来た設立時株主だけでなく、書面・電磁的方法で行使された議決権も集計します。
創立総会当日の進行と議長の役割
創立総会では、招集者である発起人側が、設立に関する事項を報告し、議案を説明し、設立時株主からの質問に対応し、決議を行います。議長を置く場合、議長は創立総会の秩序を維持し、議事を整理します。
会社法78条は、発起人が、創立総会において設立時株主から特定の事項について説明を求められた場合には、必要な説明をしなければならないと定めています。ただし、目的事項と関係しない場合、説明により設立時株主の共同の利益を著しく害する場合など、正当な理由がある場合は例外となります。
当日の進行では、次の事項を議事録に残せるように、事前に議事次第を準備しておくと安全です。
- 開会、出席設立時株主・議決権数の確認
- 議長の選任又は議長の確認
- 発起人による設立に関する事項の報告
- 必要な資料・検査役報告等の提出又は提供
- 議案の説明、質疑応答、発起人の説明
- 決議、賛否数、可決・否決の結果確認
- 議事録作成担当者の確認
創立総会で延期又は続行の決議があった場合には、招集決定や招集通知に関する一部規定は適用されません。ただし、延期・続行を安易に使うと、設立登記期限や投資家との契約条件に影響するため、議事録と関係者への連絡を明確に残す必要があります。
創立総会議事録の作成・備置き
創立総会の議事については、法務省令で定めるところにより議事録を作成しなければなりません。議事録は、創立総会で何が報告され、どの議案がどのように決議されたかを示す中心的な証拠です。
会社法施行規則16条では、創立総会議事録に記載・記録すべき事項が定められています。通常の開催型の創立総会では、開催日時・場所、議事の経過の要領と結果、出席した発起人・設立時取締役等、議長の氏名、議事録作成担当の発起人の氏名などを整理します。
| 書類・記録 | 保管期間 | 主なポイント |
|---|---|---|
| 創立総会議事録 | 創立総会の日から10年間 | 発起人が定めた場所、会社成立後は本店に備え置く |
| 代理権を証明する書面 | 創立総会の日から3か月間 | 代理人が議決権を行使した場合に必要 |
| 議決権行使書面 | 創立総会の日から3か月間 | 書面投票を認めた場合に保管する |
| 電磁的方法による議決権行使記録 | 創立総会の日から3か月間 | 電磁的方法による投票内容を記録する |
| 決議省略の同意書面・電磁的記録 | 決議があったものとみなされた日から10年間 | 開催しない場合でも同意の証拠を保管する |
設立時株主は、一定の時間内で議事録の閲覧又は謄写を請求できます。会社成立後は、その株主及び債権者が、営業時間内に議事録の閲覧又は謄写を請求できます。親会社社員も、権利行使のため必要があるときは、裁判所の許可を得て請求できる場合があります。
決議や報告を省略した場合でも、議事録の作成は不要になりません。開催型の議事録と、省略型の議事録では記載事項が異なるため、同意書面、提案書、報告事項通知、みなし決議日を整理して作成します。
創立総会の決議・報告を省略する方法
創立総会は、実際に会議体として開催する方法だけでなく、一定の場合に決議又は報告を省略できます。設立時株主が少数で、全員の同意を確実に取得できる場合には、実務上有力な選択肢になります。
決議の省略
発起人が創立総会の目的である事項について提案をし、その提案について、当該事項に議決権を行使できる設立時株主全員が、書面又は電磁的記録により同意した場合には、その提案を可決する旨の創立総会決議があったものとみなされます。
決議省略を使う場合は、提案内容、提案者、同意者、同意日、みなし決議日を明確にします。設立時株主全員の同意が必要であるため、一部の設立時株主が沈黙しているだけでは足りません。
報告の省略
発起人が設立時株主全員に対し、創立総会に報告すべき事項を通知し、その事項を創立総会に報告することを要しないことについて、設立時株主全員が書面又は電磁的記録で同意した場合には、その事項の創立総会への報告があったものとみなされます。
省略手続の実務フロー
- 創立総会で決議又は報告すべき事項を特定する。
- 発起人が提案書又は報告事項通知を作成する。
- 議決権を行使できる設立時株主の範囲を確認する。
- 全員から書面又は電磁的記録による同意を取得する。
- みなし決議日又はみなし報告日を特定する。
- 会社法施行規則に従って議事録を作成する。
- 同意書面・電磁的記録を所定期間備え置く。
省略手続は便利ですが、全員同意の証拠が弱いと、後日、決議の成否や設立手続の適法性が争われる可能性があります。特に外部投資家がいる募集設立では、メール本文だけでなく、署名済み同意書、電子署名、同意取得履歴などを整理しておくことが望ましいです。
種類創立総会が必要になる場合
設立しようとする株式会社が種類株式発行会社である場合、種類創立総会が必要になることがあります。種類創立総会とは、ある種類の設立時発行株式の設立時種類株主で構成される総会です。
例えば、設立に際して発行する種類株式の内容として、株主総会で決議すべき事項について、当該種類の種類株主総会の決議も必要とする旨の定めを置く場合には、創立総会の決議に加えて、種類創立総会の決議が必要になることがあります。
種類創立総会の決議は、原則として、その種類創立総会で議決権を行使できる設立時種類株主の議決権の過半数であって、出席した設立時種類株主の議決権の3分の2以上に当たる多数で行います。種類ごとに権利内容や拒否権を設計する場合、創立総会とは別に種類創立総会の要否を確認します。
種類株式の設計は、種類株式とは|内容・設計・定款変更のポイント、種類創立総会の条文整理は、会社法84条〜87条|種類創立総会・設立に関する事項の報告も確認してください。
創立総会の手続に不備がある場合のリスク
創立総会の不備は、設立登記の補正、設立時役員選任の有効性、定款変更の効力、設立時株主との紛争、成立後の会社関係訴訟につながる可能性があります。特に、外部株主を入れる募集設立では、設立後に株主構成や議決権比率を争われると、経営権の安定性に影響します。
| 不備の例 | 想定される問題 | 対応の方向性 |
|---|---|---|
| 招集通知の期限・方法を誤った | 創立総会の手続瑕疵、登記添付書類の不備 | 開催前なら通知をやり直す。全員同意による招集省略の可否を確認する |
| 議決権数を誤って集計した | 決議要件を満たしていないおそれ | 設立時株主名簿、引受株数、書面・電磁的投票を再確認する |
| 全員同意がないのに決議省略をした | みなし決議が成立しないおそれ | 同意未取得者から改めて同意を取得するか、創立総会を開催する |
| 議事録の記載が不足している | 登記・証拠化・閲覧請求対応で支障が出る | 施行規則の記載事項に沿って補充し、関連書面と整合させる |
| 種類創立総会を失念した | 種類株式に関する決議の効力が問題になる | 定款と種類株式の内容を確認し、必要な種類創立総会を実施する |
設立前に不備が判明した場合は、原則として、創立総会をやり直す、招集手続を補正する、全員同意を取得する、関連書面を作り直すなど、登記申請前に整えることが重要です。成立後に不備が判明した場合は、設立無効、決議取消し、役員選任の効力など、別の問題に発展することがあります。会社関係訴訟との関係では、会社法831条|株主総会等の決議の取消しの訴えも参照してください。
創立総会を準備する実務チェックリスト
創立総会は、設立時株主、発起人、設立時役員、登記申請、投資契約が同時に関係します。次のチェックリストを使い、創立総会前後の抜け漏れを確認します。
- 設立時募集株式の募集事項、申込書、割当通知、引受契約が整理されているか。
- 発起人と設立時募集株式の引受人の払込みが完了しているか。
- 払込金保管証明書又は払込証明関係の資料を取得・準備しているか。
- 創立総会の日時、場所、目的事項、書面投票・電磁的方法の有無を決定しているか。
- 招集通知の期限と方法が会社法に合っているか。
- 招集手続省略を使う場合、設立時株主全員の同意を証拠化しているか。
- 議決権数、出席議決権数、書面・電磁的方法による議決権数を集計できるか。
- 設立に関する事項の報告資料、検査役報告、現物出資資料を準備しているか。
- 設立時役員等の選任議案、就任承諾書、印鑑証明書等が整っているか。
- 種類株式がある場合、種類創立総会の要否を確認しているか。
- 議事録、同意書面、議決権行使書面、代理権証明書を保管できる体制があるか。
- 設立登記申請書類と創立総会議事録の記載内容に矛盾がないか。
募集設立は、発起設立に比べて手続の証拠化が重要です。外部出資者が関与する場合には、創立総会の議事録だけでなく、投資契約、株主間契約、払込証拠、本人確認、反社会的勢力排除、資金使途の説明も含めて整理しておくことが望ましいです。
創立総会に関するよくある質問
発起設立でも創立総会は必要ですか
通常、発起設立では創立総会は必要ありません。創立総会は、発起人以外の者にも設立時発行株式を引き受けてもらう募集設立で問題になる手続です。中小企業の一般的な設立で創立総会が出てこないのは、多くが発起設立で行われるためです。
設立時株主が全員出席すれば招集通知は不要ですか
設立時株主全員の同意がある場合には、招集手続を経ることなく創立総会を開催できます。ただし、書面投票又は電磁的方法による議決権行使を認める事項を定めた場合は省略できません。全員出席という事実だけでなく、招集手続省略への同意を議事録や同意書面で明確に残すことが重要です。
創立総会の決議は書面だけでできますか
できます。発起人が提案し、議決権を行使できる設立時株主全員が書面又は電磁的記録で同意した場合には、その提案を可決する旨の創立総会決議があったものとみなされます。ただし、議事録の作成と同意書面・電磁的記録の備置きは必要です。
創立総会議事録に押印は必要ですか
会社法の創立総会議事録について、常に誰の押印が必要かが一律に定められているわけではありません。ただし、登記添付書類や実務上の証拠化では、議長、出席発起人、議事録作成者などの署名押印を求める運用をとることがあります。設立登記で使う議事録は、司法書士・法務局実務との整合性も確認してください。
創立総会で定款を変更できますか
一定の場合には、創立総会で定款を変更できます。ただし、創立総会でできることは設立に関する事項に限られ、種類株式や発行可能株式総数などでは特則もあります。定款変更をする場合は、変更後の定款内容、決議要件、種類創立総会の要否、登記事項との整合性を確認する必要があります。
設立時取締役の選任は創立総会で行いますか
募集設立では、会社法88条により、設立時取締役等の選任は創立総会の決議によって行います。種類株式の定めにより、種類創立総会の決議で設立時取締役等を選任する場合もあります。就任承諾書、印鑑証明書、本人確認証明書、欠格事由の確認も併せて進めます。
創立総会を省略すれば議事録も不要ですか
不要にはなりません。決議又は報告を省略した場合でも、会社法施行規則に従った議事録の作成が必要です。省略型の議事録では、みなし決議又はみなし報告の内容、提案者、みなされた日、議事録作成担当者などを記載・記録します。
まとめ
創立総会は、募集設立で設立時募集株式の払込みがされた後、発起人が設立時株主を集めて開催する総会です。設立時役員の選任、設立に関する事項の報告、定款変更、設立廃止、種類創立総会の要否など、会社成立前の重要事項を扱います。
- 創立総会は募集設立で必要となる手続であり、発起設立では通常不要です。
- 創立総会の招集では、日時・場所・目的事項、書面投票・電磁的方法の有無、通知期限と通知方法を確認します。
- 議決権は原則として設立時発行株式1株につき1個で、決議要件は過半数要件と出席議決権3分の2以上の要件を確認します。
- 議事録は必ず作成し、創立総会の日から10年間備え置く必要があります。
- 決議・報告の省略を使う場合でも、全員同意の証拠と省略型議事録の作成・保管が必要です。
募集設立は、外部株主を会社成立時から参加させるための有力な方法ですが、創立総会の手続を誤ると、設立登記、役員選任、株主関係、投資契約に連鎖します。募集設立を選ぶ場合は、創立総会を単独の手続としてではなく、募集・払込み・設立時役員選任・設立登記まで一体で設計することが重要です。
坂尾陽弁護士
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