M&Aとは|意味・種類・流れ・費用をわかりやすく解説

M&Aとは、会社や事業の合併・買収を通じて、経営権、事業、資産、契約、従業員、ノウハウなどを移転・承継する取引をいいます。英語のMergers and Acquisitionsの略で、直訳すると「合併と買収」です。

M&Aは大企業だけのものではありません。中小企業でも、後継者不在の解消、事業承継、事業拡大、新規事業参入、不採算事業の整理、グループ内再編などの場面で活用されます。もっとも、どの手法を選ぶかによって、承継される債務、契約、許認可、従業員、税金、必要な社内決議、契約書の内容が大きく変わります。

この記事では、M&Aの意味、目的、種類、流れ、メリット・デメリット、費用、相談先、法的リスクを、初めてM&Aを検討する経営者・株主・法務担当者向けにわかりやすく整理します。

  • M&Aとは、企業の合併・買収を中心とする会社・事業の承継手法です。
  • 代表的な手法には、株式譲渡、事業譲渡、合併、会社分割、株式交換、第三者割当増資などがあります。
  • 売り手側では事業承継・創業者利益・従業員雇用の維持、買い手側では成長スピード・人材・顧客・技術の獲得が主な目的になります。
  • M&Aの一般的な流れは、目的整理、候補先探索、NDA、基本合意、デューデリジェンス、最終契約、クロージング、PMIです。
  • M&Aでは、価格だけでなく、契約書、法務DD、表明保証、補償条項、税務、従業員・取引先対応まで確認することが重要です。

坂尾陽弁護士

M&Aは「会社を売る・買う」という一言では整理できません。まず、何を承継するのか、どのリスクを誰が負担するのか、どの手法が自社の目的に合うのかを確認しましょう。

執筆者:弁護士 坂尾 陽(企業法務・M&A担当)

企業法務の無料法律相談実施中!

  • 0円!完全無料の法律相談
  • 弁護士による無料の電話相談も対応
  • お問合せは24時間365日受付
  • 土日・夜間の法律相談も実施
  • 全国どこでも対応いたします


企業法務の無料法律相談 0120-126-050(24時間365日受付)

 


M&Aとは|意味と基本的な考え方

M&Aとは、Mergers and Acquisitionsの略で、企業の合併と買収を意味します。実務上は、会社そのものの支配権を移す株式譲渡、事業の一部を移す事業譲渡、複数の会社を統合する合併、会社分割や株式交換など、会社・事業の承継を伴う取引を幅広く含めて使われます。

狭い意味では、合併と買収を指します。広い意味では、資本提携、業務提携、合弁会社の設立、グループ内組織再編など、企業同士の経営資源を組み合わせる取引まで含めて説明されることがあります。

用語 意味 M&Aとの関係
合併 複数の会社が1つの会社に統合される手法 狭義のM&Aに含まれる代表的な手法です。
買収 株式や事業を取得して、会社・事業の支配又は利用を可能にする手法 株式譲渡、事業譲渡、第三者割当増資などで行われます。
事業承継 経営者や事業を次の担い手へ引き継ぐこと 親族内承継・社内承継のほか、第三者承継としてM&Aが使われます。
組織再編 会社分割、合併、株式交換など会社法上の再編手続 M&Aのスキームとして使われることがあります。
資本業務提携 株式取得や業務協力により協力関係を作ること 広義のM&Aに含めて説明されることがあります。

中小企業のM&Aでは、株式譲渡と事業譲渡がよく使われます。株式譲渡は、会社の株主が変わる手法です。対象会社の契約、許認可、従業員、資産・負債は原則として会社に残るため、比較的シンプルに進められる一方、簿外債務や過去の法令違反も会社に残り得ます。

事業譲渡は、必要な事業・資産・契約だけを選んで移す手法です。不要な債務を引き継がない設計がしやすい一方、契約の移転、従業員の転籍、許認可、取引先承諾などの手続が重くなることがあります。

M&Aの種類・手法を比較したい場合は、M&Aの種類・手法(スキーム)で詳しく整理しています。


M&Aが活用される目的

M&Aの目的は、売り手側と買い手側で異なります。売り手側は「会社・事業をどのように残すか」、買い手側は「どの経営資源を取得して成長するか」が中心になります。

売り手側の目的

  • 後継者不在を解消し、第三者に事業を承継する
  • 創業者利益・投資回収を得て、経営者個人のライフプランを実現する
  • 従業員の雇用、取引先との関係、顧客サービスを維持する
  • 大手企業・同業企業のグループに入ることで、営業力・資金力・管理体制を強化する
  • 不採算事業や非中核事業を切り出し、経営資源を集中する
  • 借入金、経営者保証、株主構成、親族間の承継問題を整理する

売り手側の実務は、会社売却・事業売却の実務で整理しています。会社売却を検討し始めた段階では、価格だけでなく、株主、借入金、従業員、重要契約、許認可、税金、売却後の責任範囲を同時に確認する必要があります。

買い手側の目的

  • 既存事業の規模を拡大し、顧客基盤や販売網を取得する
  • 新規事業・新地域へ参入する時間を短縮する
  • 技術、ブランド、人材、ノウハウ、許認可などを取得する
  • 仕入先・販売先を取り込み、垂直統合やコスト削減を実現する
  • 競合企業の買収や業界再編により市場での地位を高める
  • グループ内再編により、事業管理、資金管理、税務・会計管理を効率化する

買い手側の実務は、会社買収の実務で整理しています。買い手側では、取得したい事業価値だけでなく、買収後に引き受けるリスクを事前に把握することが重要です。


M&Aの主な種類・手法

M&Aの手法は、「会社全体を取得するのか」「事業だけを取得するのか」「合併・会社分割のように包括承継を使うのか」「資本参加にとどめるのか」によって分かれます。

手法 概要 向いている場面 注意点
株式譲渡 売主が保有する対象会社の株式を買主へ譲渡する手法 中小企業の会社売却、既存会社をそのまま承継したい場合 会社に残る債務・契約・法令違反も確認する必要があります。
事業譲渡 会社の事業、資産、契約等を個別に移転する手法 特定事業だけを売買したい場合、不採算部門を切り離したい場合 契約移転、従業員転籍、許認可、債権者・取引先対応が必要になりやすいです。
合併 一方の会社が他方の会社を吸収する、又は新会社に統合する手法 グループ内再編、完全な事業統合、会社数の整理 包括承継のため、債務・契約・労務・許認可の影響を確認します。
会社分割 会社の事業を別会社に承継させる組織再編手法 事業の切り出し、グループ再編、カーブアウト、再生型の整理 債権者保護、労働契約承継、承継対象の設計が重要です。
株式交換・株式移転 完全親子会社関係又は持株会社体制を作る手法 グループ形成、完全子会社化、持株会社化 株主総会、反対株主対応、株式評価などを確認します。
第三者割当増資 新株を特定の投資家に発行し、資金調達と資本参加を行う手法 資金調達、資本業務提携、成長投資 既存株主の希薄化、支配権、発行条件の公正性が問題になります。
MBO・TOB 経営陣による買収、又は公開買付けによる株式取得 非公開化、上場会社の買収、事業承継 利益相反、少数株主保護、開示規制、価格の公正性に注意が必要です。

どの手法が適切かは、承継したい範囲、債務をどこまで引き受けるか、許認可・契約を移転できるか、税務・会計処理、スケジュール、株主構成、従業員対応によって変わります。

株式譲渡の詳細は株式譲渡とは、事業譲渡の詳細は事業譲渡とは、両者の違いは株式譲渡と事業譲渡の違いを参照してください。


M&Aの一般的な流れ

M&Aの流れは案件によって異なりますが、一般的には、目的整理、専門家選定、候補先探索、秘密保持契約、基本合意、デューデリジェンス、最終契約、クロージング、PMIの順に進みます。

段階 主な内容 法務上の確認ポイント
目的整理 売却・買収の目的、希望条件、対象範囲を整理する 株主構成、承認手続、利益相反、経営者保証、許認可を確認します。
専門家選定 仲介会社、FA、弁護士、税理士、公認会計士等を選ぶ 依頼範囲、報酬、利益相反、秘密保持、責任範囲を確認します。
候補先探索・初期打診 売り手・買い手候補を探し、初期情報を交換する 開示範囲、競合先への情報開示、情報漏えい対策が重要です。
NDA締結 秘密保持契約を締結して資料開示を始める 秘密情報の範囲、利用目的、返還・廃棄、損害賠償を確認します。
基本合意 概算価格、スキーム、独占交渉、DD範囲などを合意する 法的拘束力、撤退条件、費用負担、独占交渉を整理します。
デューデリジェンス 財務・税務・法務・労務・ビジネス等の調査を行う 簿外債務、重要契約、許認可、訴訟、労務、知財、個人情報を確認します。
最終契約 株式譲渡契約書、事業譲渡契約書等を締結する 表明保証、補償、価格調整、前提条件、解除、競業避止を定めます。
クロージング 代金支払、株式・事業の引渡し、必要書類の授受を行う 条件充足、同時履行、取締役会・株主総会、譲渡承認を確認します。
PMI 買収後の経営・業務・人事・システム統合を進める 権限規程、契約管理、労務管理、コンプライアンス、個人情報管理を統合します。

工程そのものを詳しく確認したい場合は、M&Aの流れを参照してください。全体期間や工程表を確認したい場合は、M&Aにかかる期間とスケジュールも参考になります。

基本合意後が本格的な確認段階です

基本合意書を締結すると、独占交渉やデューデリジェンスが始まり、交渉が一気に具体化します。基本合意の段階で、価格、スキーム、DD範囲、撤退条件、費用負担、秘密保持を曖昧にしないことが重要です。


M&Aのメリット・デメリット

M&Aには、売り手・買い手の双方にメリットがありますが、同時にデメリットやリスクもあります。特に、M&Aは相手方との情報格差が大きく、契約書とデューデリジェンスでリスクを調整する必要があります。

立場 主なメリット 主なデメリット・リスク
売り手側 後継者問題の解決、創業者利益、従業員雇用の維持、大手グループ入り、事業継続 希望価格で売れない、情報漏えい、従業員・取引先の不安、売却後の補償責任、競業避止義務
買い手側 成長時間の短縮、人材・顧客・技術・許認可の取得、シナジー、事業多角化 簿外債務、過大評価、PMI失敗、キーパーソン退職、重要契約の解除、法令違反の発覚
共通 単独では難しい成長・承継・再編を実現できる 交渉長期化、専門家費用、契約条件の不一致、クロージング未了、紛争化

M&Aのメリット・デメリットは、手法、立場、会社の状態によって異なります。売り手・買い手別の判断ポイントは、M&Aのメリット・デメリットで詳しく解説しています。

M&Aのデメリットは、事前に把握できれば、価格、補償条項、前提条件、クロージング後誓約、エスクロー、PMI計画などに反映できます。問題は、リスクを見落としたまま契約を締結してしまうことです。


M&Aにかかる費用と税金

M&Aの費用は、買収対価だけではありません。仲介会社・FAの報酬、弁護士費用、財務・税務・法務DD費用、税金、登記・許認可・実費、PMI費用などが発生します。

費用項目 主に発生する場面 確認ポイント
買収対価・譲渡代金 株式や事業を取得する場面 評価額、支払方法、価格調整、分割払い、アーンアウト、エスクロー
仲介会社・FA報酬 候補先探索、交渉支援、成約時 着手金、中間金、月額報酬、成功報酬、最低報酬、手数料計算方法
弁護士費用 契約書、法務DD、交渉、クロージング、紛争対応 依頼範囲、成果物、タイムチャージ、固定報酬、追加費用
公認会計士・税理士費用 財務DD、税務DD、企業価値評価、税務申告 調査範囲、評価方法、税務スキーム、申告・届出
登記・許認可・実費 会社分割、合併、事業譲渡、許認可承継等 登録免許税、専門家報酬、行政手続、金融機関・取引先対応
税金 株式譲渡、事業譲渡、配当、組織再編等 譲渡益課税、法人税、消費税、印紙税、適格組織再編の要件

費用を比較するときは、単に「成功報酬が何%か」だけでなく、着手金、中間金、最低報酬、月額報酬、DD費用、弁護士費用、税金、クロージング後費用まで含めた総額で確認する必要があります。

M&Aの費用全体は、M&Aにかかる費用で詳しく整理しています。税務面は、M&Aの税金株式譲渡の税金も参考になります。

仲介手数料の返還や成功報酬の支払義務が紛争化している場合は、通常の費用比較ではなく、契約書・重要事項説明・成約定義・解除条項を確認する必要があります。紛争化した場合は、M&A仲介手数料トラブルを参照してください。


M&Aで確認すべき契約・DD・法的リスク

M&Aで重要なのは、価格や相手先だけではありません。対象会社・対象事業にどのようなリスクがあり、そのリスクを誰が負担するのかを、デューデリジェンスと契約書で整理する必要があります。

リスク 具体例 契約・DDでの対応
簿外債務・税務リスク 未払税金、未払残業代、保証債務、偶発債務 財務DD・税務DD・法務DDで確認し、表明保証・補償・価格調整に反映します。
重要契約リスク 解除条項、譲渡禁止条項、チェンジオブコントロール条項 契約DDで確認し、同意取得や前提条件を定めます。
許認可・規制リスク 許認可の承継不可、法令違反、行政指導 スキーム選択、許認可手続、クロージング条件を確認します。
労務リスク 未払残業代、労働条件不備、キーパーソン退職 労務DD、雇用承継、説明方針、PMI人事対応を整理します。
知財・IT・個人情報リスク 権利帰属不明、ライセンス制限、情報漏えい、システム統合不備 知財DD、IT DD、個人情報DD、TSA、PMI計画を設計します。
表明保証・補償リスク 契約後に説明と異なる事実が発覚する 表明保証、補償条項、責任制限、通知期限、証拠化を定めます。

東京地裁平成30年3月28日判決では、株式譲渡後に対象会社の税務申告漏れ等が問題となり、株式譲渡契約上の表明保証条項違反が認められました。M&Aでは、簿外債務や将来の課税問題を、DDと契約条項でどこまで把握し、どちらの当事者が負担するかを明確にすることが重要です。

契約書の全体像はM&A契約書の種類と主要条項、デューデリジェンスの全体像はデューデリジェンス(DD)とはで確認できます。法務DDの詳細は法務デューデリジェンスを参照してください。

注意

M&A後に問題が発覚した場合、契約書の表明保証、補償条項、責任制限、通知期限、証拠の有無によって請求できる範囲が変わります。すでに紛争化している場合は、M&Aトラブル紛争として初動を整理してください。


M&Aの相談先と専門家の役割

M&Aでは、仲介会社、FA、弁護士、税理士、公認会計士、司法書士、社会保険労務士、金融機関など複数の専門家が関与することがあります。重要なのは、誰がどこまで確認するのかを明確にすることです。

専門家 主な役割 注意点
M&A仲介会社 売り手・買い手候補の探索、マッチング、条件調整、進行管理 双方支援となることが多く、利益相反や報酬条件を確認します。
FA 依頼者側に立った交渉支援、条件整理、プロセス管理 法務DDや契約書確認まで含まれるとは限らないため、業務範囲を確認します。
弁護士 NDA、基本合意、最終契約、法務DD、会社法手続、交渉、紛争対応 法的リスクと責任分担を契約条件に落とし込む役割を担います。
税理士 税務スキーム、譲渡益課税、税務DD、申告・届出 法務リスクや契約条項とは別に、税務上の影響を確認します。
公認会計士 財務DD、企業価値評価、会計処理、内部統制 財務上の発見事項を価格・契約へ反映するには弁護士との連携が重要です。
司法書士・社労士等 登記、労務手続、社会保険、各種実務手続 組織再編、役員変更、従業員対応などで連携します。

東京地裁令和4年2月24日判決では、M&Aに関するフィナンシャル・アドバイザリー契約について、業務内容としてデューデリジェンスに該当する程度の買収対象事業の調査までは含まれないと判断されました。仲介会社やFAに依頼している場合でも、法務・税務・会計の詳細調査や契約リスクの確認を誰が行うのかを別途整理する必要があります。

M&Aの専門家選びは、M&A仲介・専門家M&A仲介とFAの違いM&Aにおける税理士の役割で詳しく整理しています。弁護士への相談全体はM&Aの弁護士相談も参照してください。


M&Aを成功させるための基本ポイント

M&Aを成功させるには、良い相手先を探すだけでは足りません。目的、手法、価格、DD、契約、スケジュール、PMIを一体で設計する必要があります。

  • 売却・買収の目的を明確にし、譲れない条件と交渉可能な条件を分ける
  • 株式譲渡、事業譲渡、会社分割など複数の手法を比較してから進める
  • NDA締結前に、開示する資料の範囲と競合先への開示リスクを確認する
  • 基本合意書では、法的拘束力、独占交渉、DD範囲、撤退条件、費用負担を確認する
  • デューデリジェンスで見つかったリスクを、価格、前提条件、補償条項、誓約事項へ反映する
  • 最終契約書では、表明保証、補償、責任制限、解除、クロージング条件を具体的に定める
  • クロージング後のPMIを取引前から準備し、従業員・取引先・システム・規程の統合を計画する
  • 仲介会社、FA、弁護士、税理士、公認会計士の役割分担を曖昧にしない

買い手側では、買収後のPMIを軽視しないことが重要です。PMIの全体像は、M&AのPMIとはで整理しています。買収後の従業員退職や処遇トラブルが問題になっている場合は、M&A後の従業員退職・処遇トラブルも確認してください。

M&Aの失敗事例を先に確認すると、どの段階でDD・契約・交渉を強化すべきかが分かります。紛争予防の観点からは、M&A失敗事例とDD・交渉での予防策も参考になります。


アイシア法律事務所に相談できること

アイシア法律事務所では、M&A・組織再編に関する法務相談について、売り手側・買い手側の立場、取引手法、契約書、法務DD、クロージング、トラブル予防の観点からご相談内容を整理します。

  • M&Aの初期検討段階で、株式譲渡・事業譲渡・会社分割等の手法を比較する相談
  • NDA、基本合意書、株式譲渡契約書、事業譲渡契約書の作成・レビュー
  • 法務デューデリジェンス、DD質問票、レッドフラッグの整理
  • 表明保証、補償条項、価格調整、前提条件、解除条項の検討
  • 会社売却・会社買収における株主、取締役会、従業員、取引先、金融機関対応
  • M&A後に発覚した簿外債務、表明保証違反、仲介トラブル、補償請求への対応

M&Aは、交渉が進んでから契約・DD・法務リスクを確認すると、条件変更や撤退が難しくなることがあります。初期段階から弁護士に相談することで、どの専門家に何を依頼し、どの順番で確認すべきかを整理できます。


よくある質問

M&Aとは簡単にいうと何ですか?

M&Aとは、会社や事業を合併・買収などによって承継する取引です。中小企業では、後継者不在の解消、会社売却、事業承継、事業拡大、新規事業参入などの目的で使われます。

M&Aは何の略ですか?

M&Aは、Mergers and Acquisitionsの略です。Mergersは合併、Acquisitionsは買収を意味します。実務上は、株式譲渡、事業譲渡、会社分割、資本提携などを含めて広く使われることがあります。

中小企業でもM&Aはできますか?

中小企業でもM&Aは可能です。特に、後継者不在、従業員雇用の維持、取引先へのサービス継続、事業の選択と集中、買い手企業による成長支援などの目的で活用されます。

M&Aと事業承継は違いますか?

事業承継は、会社や事業を次の担い手に引き継ぐことです。M&Aは、第三者に会社・事業を引き継ぐための手法として使われることがあります。つまり、M&Aは事業承継の一つの方法になる場合があります。

M&Aはどのくらいの期間がかかりますか?

案件の規模、候補先の有無、資料準備、DD範囲、金融機関・株主・許認可対応により異なります。一般には数か月以上かかることが多く、早期に進める場合でも、NDA、基本合意、DD、最終契約、クロージングの各段階を省略しすぎないことが重要です。

M&Aの費用は誰が払いますか?

買収対価は買い手が支払います。仲介会社・FA・弁護士・税理士・公認会計士などの専門家費用は、依頼した当事者が支払うのが基本です。ただし、契約内容や費用負担の合意により異なるため、見積書と契約書を確認する必要があります。

M&A仲介会社が入っていれば弁護士は不要ですか?

不要とはいえません。仲介会社は候補先探索や条件調整に強みがありますが、法務DD、契約条項、表明保証、補償責任、会社法手続、紛争対応まで当然に含まれるとは限りません。法的リスクは弁護士に確認するのが安全です。

M&Aでトラブルになった場合はどうすればよいですか?

まず、契約書、DD資料、開示資料、相手方・仲介会社とのやり取り、請求書・通知書を整理してください。表明保証違反、補償請求、解除、損害賠償、仲介手数料トラブルなど、論点ごとに初動が異なります。紛争化している場合は、M&Aトラブルを弁護士に相談するタイミングと費用を参照してください。


まとめ

M&Aとは、会社・事業の合併や買収を通じて、経営資源を承継・統合する取引です。中小企業では、事業承継、会社売却、成長戦略、事業再編の手段として活用されます。

  • M&Aは、合併・買収を中心に、株式譲渡、事業譲渡、会社分割、資本提携などを含むことがあります。
  • 売り手側では事業承継・創業者利益・従業員雇用の維持、買い手側では成長スピード・顧客・人材・技術の獲得が主な目的になります。
  • M&Aの流れは、目的整理、専門家選定、NDA、基本合意、DD、最終契約、クロージング、PMIの順に進むのが一般的です。
  • 手法選択、契約書、DD、表明保証、補償条項、費用、税金、PMIを一体で確認することが重要です。
  • 仲介会社・FA・税理士・公認会計士と弁護士の役割を分け、法的リスクは早い段階で確認しましょう。

坂尾陽弁護士

M&Aを検討し始めたら、まず「目的」「手法」「相手先」「価格」「DD」「契約」「PMI」を分けて整理しましょう。初期段階から法的リスクを確認することで、後の手戻りやトラブルを防ぎやすくなります。

関連記事

M&Aの基礎から、流れ、メリット・デメリット、費用、契約、DD、トラブル対応まで確認したい場合は、次の記事も参考になります。

企業法務の無料法律相談実施中!

  • 0円!完全無料の法律相談
  • 弁護士による無料の電話相談も対応
  • お問合せは24時間365日受付
  • 土日・夜間の法律相談も実施
  • 全国どこでも対応いたします


企業法務の無料法律相談 0120-126-050(24時間365日受付)