【会社法921条・922条】合併の登記|吸収合併・新設合併の条文の要点と実務ポイント

会社法921条・922条は、会社が合併をした場合に必要となる登記を定める条文です。吸収合併では、消滅会社について解散登記をし、存続会社について変更登記をします。新設合併では、消滅会社について解散登記をし、新しく設立される会社について設立登記をします。

合併の登記は、単に「合併したことを知らせるための登記」ではありません。効力発生日、承認手続、債権者保護手続、株主・新株予約権者保護、添付書面、登録免許税、消滅会社側の申請との関係をそろえないと、登記申請が止まることがあります。

この記事では、会社法921条・922条について、吸収合併と新設合併の登記の違い、2週間期限の起算点、解散登記・変更登記・設立登記の意味、登記申請前のチェックポイントを整理します。

  • 会社法921条は、吸収合併をした場合の登記を定める条文です。
  • 吸収合併では、消滅会社について解散登記をし、存続会社について変更登記をします。
  • 会社法922条は、新設合併をした場合の登記を定める条文です。
  • 新設合併では、消滅会社について解散登記をし、新設会社について設立登記をします。
  • 新設合併の2週間期限は、単純に「合併契約で定めた日」だけを見ればよいわけではなく、消滅会社の種類や手続の完了時点を確認する必要があります。

坂尾陽弁護士

合併の登記では、「吸収合併か新設合併か」「消滅会社側か存続・設立会社側か」を分けることが出発点です。会社法921条・922条は、合併手続全体を説明する条文ではなく、合併が登記簿にどう反映されるかを定める登記条文として読むと整理しやすくなります。

執筆者:弁護士 坂尾 陽(企業法務・M&A担当)

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会社法921条・922条とは

会社法921条・922条は、いずれも「合併の登記」に関する条文です。921条は吸収合併、922条は新設合併を扱います。合併という同じ組織再編でも、登記の内容は大きく異なります。

条文 対象 登記の基本形 期限の考え方
会社法921条 吸収合併 消滅会社は解散登記、存続会社は変更登記 吸収合併の効力が生じた日から2週間以内
会社法922条 新設合併 消滅会社は解散登記、新設会社は設立登記 設立会社の種類と消滅会社の種類に応じた各号所定の日から2週間以内

第九百二十一条 会社が吸収合併をしたときは、その効力が生じた日から二週間以内に、その本店の所在地において、吸収合併により消滅する会社については解散の登記をし、吸収合併後存続する会社については変更の登記をしなければならない。

会社法の条文全体は、e-Gov法令検索「会社法」で確認できます。

921条は吸収合併の登記を定める

吸収合併では、合併後も存続する会社と、合併により消滅する会社があります。会社法921条は、吸収合併の効力が生じた後、消滅会社については解散登記をし、存続会社については変更登記をすることを定めています。

たとえば、A社がB社を吸収合併し、A社が存続会社となる場合、B社については吸収合併による解散登記をし、A社については合併に伴う変更登記をします。A社の商号、目的、資本金の額、発行済株式数、役員構成などが合併に伴って変わる場合は、その変更内容も登記申請で確認します。

922条は新設合併の登記を定める

新設合併では、合併当事会社がいずれも消滅し、新たな会社が設立されます。会社法922条は、この場合に、消滅会社について解散登記をし、新設会社について設立登記をすることを定めています。

922条は、921条よりも複雑です。新設会社が株式会社か持分会社か、消滅会社が株式会社のみか、持分会社のみか、株式会社と持分会社の混在かによって、2週間の起算点が変わるためです。

合併手続全体ではなく登記段階の条文

会社法921条・922条だけを読んでも、合併契約の法定記載事項、株主総会又は総社員の同意、債権者保護手続、反対株主の株式買取請求、新株予約権者の保護、事前開示・事後開示などの手続全体は完結しません。

921条・922条は、これらの手続を経て、合併を登記簿にどのように反映するかを定める条文です。したがって、実務では、合併契約や承認手続の内容と、登記申請書・添付書面の内容が一致しているかを確認することが重要です。


吸収合併と新設合併の登記の違い

合併登記で最初に確認すべき点は、吸収合併か新設合併かです。吸収合併では既存会社のうち一社が存続するのに対し、新設合併では新しい会社を設立します。そのため、登記の組み合わせも変わります。

項目 吸収合併 新設合併
合併後に残る会社 既存の存続会社 新しく設立される会社
消滅会社側の登記 解散登記 解散登記
存続・設立会社側の登記 存続会社の変更登記 新設会社の設立登記
期限 効力発生日から2週間以内 922条各号所定の日から2週間以内
実務上の注意 効力発生日、承認手続、債権者保護手続、変更事項をそろえる 設立会社の種類、消滅会社の種類、各手続の完了日、設立登記の添付書面をそろえる

消滅会社はどちらも解散登記をする

吸収合併でも新設合併でも、合併により消滅する会社については解散登記をします。ただし、ここでいう解散は、通常の解散後に清算手続へ進む場合とは性質が異なります。

合併による消滅会社は、合併により権利義務が承継され、通常の清算会社として清算手続を進めるわけではありません。登記簿上は「解散」という形で消滅を反映しますが、通常の解散・清算と混同しないようにします。

存続会社は変更登記、新設会社は設立登記をする

吸収合併では、存続会社は既に存在する会社です。そのため、合併により生じた登記事項の変更を「変更登記」として反映します。

これに対し、新設合併では、合併により新しい会社が成立します。そのため、新設会社側では「設立登記」が必要です。設立登記といっても通常の単独設立とは異なり、新設合併契約、合併承認、債権者保護手続、消滅会社側の手続と一体で確認する必要があります。

登記期限の起算点が違う

吸収合併は、合併契約で定めた効力発生日に効力が生じるため、会社法921条では「その効力が生じた日から2週間以内」とされています。

一方、新設合併は、新設会社の設立と結びつくため、会社法922条が、消滅会社の種類や手続完了日を基準にした起算点を細かく定めています。特に新設合併では、「契約書に日付を書いたから、その日から2週間」と単純に考えないことが重要です。


会社法921条:吸収合併の登記

会社法921条:吸収合併の登記

会社法921条は、会社が吸収合併をしたときの登記を定めています。条文上のポイントは、効力発生日から2週間以内、本店所在地、消滅会社の解散登記、存続会社の変更登記の4つです。

確認項目 内容 実務上の確認ポイント
対象行為 吸収合併 合併契約で、どの会社が存続会社かを確認します。
期限 効力発生日から2週間以内 効力発生日を基準に登記期限を管理します。
消滅会社 解散登記 合併による消滅を登記簿へ反映します。
存続会社 変更登記 資本金、発行済株式、目的、役員、公告方法などの変更有無を確認します。
本店所在地 各会社の本店所在地 管轄登記所、申請順、添付書面を事前に確認します。

効力発生日から2週間以内に登記する

吸収合併では、合併契約で定めた効力発生日に、存続会社が消滅会社の権利義務を承継します。会社法921条の登記期限は、この効力発生日から2週間以内です。

効力発生日が近づいてから登記書類を作り始めると、株主総会議事録、債権者保護手続関係書面、公告・催告の証明、株主リスト、資本金計上証明書などの確認で時間が足りなくなることがあります。効力発生日を決める段階で、登記申請日と添付書面の準備予定を逆算しておくことが重要です。

消滅会社については解散登記をする

吸収合併により消滅する会社は、合併により法人格が消滅するため、解散登記をします。ここでの解散登記は、通常の解散・清算手続に入るための登記ではなく、合併による消滅を公示するための登記です。

消滅会社側の登記では、どの吸収合併により解散するのか、効力発生日、存続会社との関係、申請人、管轄、添付書面の要否を確認します。存続会社側の変更登記と矛盾があると、補正や再確認が必要になることがあります。

存続会社については変更登記をする

吸収合併後存続する会社は、吸収合併に伴って登記事項に変更が生じる場合、変更登記をします。たとえば、合併対価として株式を発行する場合には、発行済株式総数や資本金の額などの登記事項が問題になることがあります。

また、合併と同時に商号、目的、本店、役員、機関設計などを変更する場合には、同時にどの変更登記を申請するのかを整理します。合併契約、株主総会決議、取締役会決議、定款変更、登記申請書の記載がずれていないかを確認しましょう。


会社法922条:新設合併の登記

会社法922条:新設合併の登記

会社法922条は、2以上の会社が新設合併をする場合の登記を定めています。新設合併では、新設合併により消滅する会社について解散登記をし、新設合併により設立する会社について設立登記をします。

922条の特徴は、設立会社が株式会社か持分会社か、消滅会社が株式会社のみか、持分会社のみか、株式会社と持分会社の混在かによって、2週間の起算点を細かく分けている点です。

設立会社が株式会社の場合

新設合併により設立する会社が株式会社である場合、会社法922条1項により、消滅会社の種類に応じて定められた日から2週間以内に、消滅会社の解散登記と新設株式会社の設立登記をします。

消滅会社の種類 主な起算点 実務上の見方
株式会社のみ 株主総会決議日、必要な種類株主総会決議日、株式買取請求関係の通知・公告から20日経過日、新株予約権買取請求関係の通知・公告から20日経過日、債権者保護手続終了日、合意により定めた日のうち遅い日 株主・新株予約権者・債権者保護手続の完了を確認してから期限を計算します。
持分会社のみ 総社員の同意を得た日又は定款所定手続終了日、債権者保護手続終了日、合意により定めた日のうち遅い日 社員同意と債権者保護手続の完了日を確認します。
株式会社と持分会社の混在 上記の各日を比較して最も遅い日 全当事会社の手続完了日を一覧化し、最も遅い日を基準にします。

設立会社が持分会社の場合

新設合併により設立する会社が持分会社である場合も、会社法922条2項により、消滅会社の種類に応じた日から2週間以内に、消滅会社の解散登記と新設持分会社の設立登記をします。

設立会社が持分会社となる場合、消滅会社が株式会社であれば総株主の同意が問題になります。消滅会社が持分会社であれば総社員の同意又は定款所定手続、債権者保護手続、合意日を確認します。株式会社と持分会社が混在する場合は、各手続の完了日を比較して最も遅い日を基準にします。

新設合併では合併契約上の日付だけで期限を判断しない

新設合併では、吸収合併のように「効力発生日から2週間」と単純に整理できません。会社法922条は、株主総会、総株主の同意、総社員の同意、反対株主・新株予約権者の保護手続、債権者保護手続、合意日などを組み合わせて起算点を決める構造になっています。

そのため、新設合併の登記準備では、当事会社ごとに手続完了日を表にし、どの日が最も遅いかを確認します。特に、株式会社と持分会社が混在する新設合併では、片方の会社だけのスケジュールで登記期限を判断しないように注意が必要です。


合併登記の申請書・添付書面で確認すること

会社法921条・922条は、登記の種類と期限を定める条文です。実際の申請では、商業登記法・商業登記規則、法務局の申請書様式、登記実務に従って、申請書と添付書面を整える必要があります。

法務局の申請書様式を使い分ける

法務局は、商業・法人登記の申請書様式として、株式会社変更登記申請書(吸収合併)、合併による株式会社設立登記申請書(新設合併)、株式会社合併による解散登記申請書などの様式を公表しています。実際の申請では、法務局「商業・法人登記の申請書様式」で最新の記載例を確認します。

場面 主な申請書 確認するポイント
吸収合併の存続会社 株式会社変更登記申請書(吸収合併)など 存続会社の登記事項の変更内容、登録免許税、添付書面を確認します。
吸収合併・新設合併の消滅会社 合併による解散登記申請書 合併による解散であること、存続会社又は設立会社との関係を確認します。
新設合併の設立会社 合併による株式会社設立登記申請書など 設立会社の登記事項、定款、役員、資本金、印鑑届出等を確認します。

添付書面は合併の種類と会社類型で変わる

合併登記の添付書面は、吸収合併か新設合併か、存続会社又は設立会社が株式会社か持分会社か、消滅会社が株式会社か持分会社か、株主総会承認が必要か、簡易合併・略式合併に当たるか、債権者保護手続が必要かによって変わります。

一般には、合併契約書、株主総会議事録又は総社員の同意を証する書面、株主リスト、債権者保護手続関係書面、公告・催告をしたことを証する書面、異議を述べた債権者への対応を証する書面、資本金の額の計上に関する証明書、登記事項証明書又は会社法人等番号の情報、委任状などが問題になります。

添付書面は個別確認が必要です

合併登記の添付書面は、会社類型、合併対価、株式・新株予約権の発行、簡易・略式手続、公告方法、債権者異議の有無などで変わります。定型的なリストだけで判断せず、実際の合併契約と会社の登記事項に合わせて確認してください。

消滅会社側と存続・設立会社側の申請を連動させる

合併登記では、消滅会社側の解散登記と、存続会社側の変更登記又は設立会社側の設立登記が対応しています。片方の登記内容だけを見て申請書を作ると、合併契約、効力発生日、承認日、債権者保護手続、資本金の額などの整合性に問題が出ることがあります。

管轄登記所が異なる場合や、複数の消滅会社がある場合は、どの申請をどの登記所へ、どの順序で提出するかを事前に確認します。会社法人等番号の記載や登記事項証明書の添付省略の可否も、登記所・申請方法に応じて確認が必要です。


合併登記でミスが起きやすいポイント

吸収合併と新設合併の期限を混同する

吸収合併では、効力発生日から2週間以内に登記します。これに対し、新設合併では、会社法922条各号に定める日から2週間以内に登記します。

特に新設合併では、株主総会決議日、総株主の同意日、総社員の同意日、債権者保護手続終了日、通知・公告から20日経過日、合意日などを比較する必要があります。合併契約書に記載された日だけを見て期限管理をすると、起算点を誤るおそれがあります。

解散登記を通常の清算開始と混同する

合併により消滅する会社については解散登記をしますが、通常の解散後の清算手続とは異なります。消滅会社の権利義務は合併により承継されるため、通常の清算人選任登記や清算結了登記の流れとは区別して考える必要があります。

同じ「解散登記」という言葉でも、会社法926条以下の解散・清算関係の登記とは場面が違います。合併による解散なのか、通常の解散なのかを、申請書と登記原因で明確に整理しましょう。

存続会社の変更事項を見落とす

吸収合併では、存続会社の変更登記が必要です。合併に伴い、資本金の額、発行済株式総数、目的、商号、役員、機関設計、本店所在地、公告方法などが変わることがあります。

合併そのものの登記だけを意識しすぎると、同時に変更すべき登記事項を見落とすことがあります。合併契約、株主総会議事録、定款変更、取締役会議事録、資本金計上証明書、登記簿の現状を照合して確認します。

新設会社の設立事項を通常設立と同じ感覚で処理する

新設合併では、新設会社の設立登記をします。ただし、通常の発起設立とは異なり、新設合併契約に基づく設立です。設立会社の目的、商号、本店、機関設計、役員、資本金の額、公告方法などを、新設合併契約と定款に沿って確認する必要があります。

また、新設合併では、設立会社の登記だけでなく、消滅会社の解散登記との関係も重要です。消滅会社が複数ある場合は、全社の手続完了状況を一覧化し、設立登記と解散登記の整合性を確認します。

登記だけでなく対外表示の更新を忘れる

合併登記が完了した後は、登記簿だけでなく、取引先通知、契約書の名義、請求書・振込口座、社内規程、許認可、ウェブサイト、印鑑、銀行手続、税務・社会保険関係の届出なども確認します。

登記は重要な公示手段ですが、実務上は登記完了後の対外表示更新まで含めて合併実行管理を行う必要があります。特に、存続会社又は新設会社が取引を継続する場合は、取引先に誤解が生じないよう、合併日、承継関係、請求・支払先を早めに案内しましょう。


会社法921条・922条の実務チェックリスト

合併登記では、条文上の期限だけでなく、実体手続、添付書面、申請書、登記後対応をまとめて確認します。次のチェックリストを使うと、登記準備の抜け漏れを減らしやすくなります。

合併の種類を確認する

  • 吸収合併か新設合併か。
  • 存続会社又は設立会社は株式会社か持分会社か。
  • 消滅会社は株式会社のみか、持分会社のみか、混在か。
  • 消滅会社が複数ある場合、全社の手続完了状況を確認したか。
  • 簡易合併・略式合併その他の特則を使うか。

登記期限を確認する

  • 吸収合併では効力発生日から2週間以内か。
  • 新設合併では922条各号の起算点を確認したか。
  • 株主総会、種類株主総会、総株主同意、総社員同意の日付を整理したか。
  • 債権者保護手続の異議申述期間が満了しているか。
  • 株式買取請求・新株予約権買取請求関係の通知・公告から20日経過日を確認したか。

申請書と添付書面を確認する

  • 合併契約書の内容と登記申請書の記載が一致しているか。
  • 株主総会議事録、総社員同意書、定款所定手続関係書面を確認したか。
  • 債権者保護手続の公告・催告・異議対応を証する書面を準備したか。
  • 株主リスト、資本金計上証明書、委任状、登記事項証明書又は会社法人等番号の扱いを確認したか。
  • 法務局の最新の申請書様式・記載例を確認したか。

登記後の対応を確認する

  • 登記完了後の登記事項証明書を取得し、内容を確認したか。
  • 取引先、金融機関、許認可、税務・社会保険関係の届出先に必要な通知をしたか。
  • 契約書、請求書、ウェブサイト、名刺、社内規程などの会社表示を更新したか。
  • 合併後の組織・権限・決裁ルールを社内で共有したか。
  • 事後開示書類の備置きなど、登記後に残る会社法上の手続を確認したか。

会社法921条・922条に関するよくある質問

合併登記はいつまでに申請する必要がありますか

吸収合併では、吸収合併の効力が生じた日から2週間以内です。新設合併では、会社法922条が定める各号所定の日から2週間以内です。新設合併では、設立会社の種類や消滅会社の種類によって起算点が変わるため、会社法922条の該当号を確認する必要があります。

吸収合併で消滅会社は清算手続をしますか

通常の解散とは異なり、吸収合併で消滅する会社は、合併により権利義務が存続会社へ承継されます。そのため、会社法921条に基づき解散登記をしますが、通常の解散後の清算手続と同じ流れで清算人を選任して清算結了へ進むわけではありません。

新設合併では、合併契約で定めた日から2週間以内に登記すればよいですか

必ずしもそうではありません。会社法922条は、消滅会社の種類や設立会社の種類に応じて、株主総会決議日、総株主の同意日、総社員の同意日、通知・公告から20日経過日、債権者保護手続終了日、合意日などを組み合わせて起算点を定めています。合併契約上の日付だけで期限を判断しないように注意してください。

新設合併では設立登記が遅れても合併は完了しますか

新設合併は、新設会社の成立と結びつくため、吸収合併のように既存会社間で効力発生日を迎えれば完了するという整理とは異なります。新設会社は設立登記によって成立するため、登記準備の遅れは合併実行そのものに大きく影響します。

合併登記をしないとどうなりますか

登記義務に違反することになり、登記懈怠の問題が生じます。また、登記簿上の表示が実体とずれるため、取引先、金融機関、許認可、税務・社会保険手続などで支障が出るおそれがあります。吸収合併では効力発生日から、新設合併では922条所定の日から、2週間以内に申請できるよう準備しておくことが重要です。

消滅会社が株式会社と合同会社で混在する新設合併では、どの起算点を使いますか

会社法922条は、消滅会社が株式会社と持分会社である場合について、株式会社のみの場合と持分会社のみの場合に定められた日のいずれか遅い日を基準にする構造を採っています。したがって、株式会社側の手続完了日と持分会社側の手続完了日をそれぞれ整理し、最も遅い日を確認します。


まとめ

会社法921条・922条は、合併をした場合の登記を定める条文です。921条は吸収合併の登記、922条は新設合併の登記を扱います。

  • 会社法921条は、吸収合併について、消滅会社の解散登記と存続会社の変更登記を定めています。
  • 吸収合併の登記期限は、効力発生日から2週間以内です。
  • 会社法922条は、新設合併について、消滅会社の解散登記と新設会社の設立登記を定めています。
  • 新設合併の登記期限は、設立会社・消滅会社の種類と手続完了日に応じて判断します。
  • 合併登記では、合併契約、承認・同意、債権者保護、株主・新株予約権者保護、添付書面、登記後対応を一体で確認することが重要です。

合併登記は、組織再編の最後に形式的に行うだけの作業ではありません。効力発生日や設立会社の成立、消滅会社の解散、存続会社の登記事項変更を公示する重要な手続です。合併スケジュールを作る段階で、登記申請まで逆算して準備しましょう。

坂尾陽弁護士

吸収合併では「効力発生日から2週間」、新設合併では「会社法922条各号の起算点から2週間」です。特に新設合併は期限の読み間違いが起きやすいため、当事会社ごとに手続完了日を一覧化して確認しましょう。

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