反対意見書の書き方|企業情報の不開示を求める資料整理

行政機関や自治体から第三者意見照会書が届き、自社の提出資料について開示に反対したい場合は、期限内に反対意見書を提出する必要があります。もっとも、反対意見書は「開示に反対します」「営業秘密です」と書くだけでは足りません。

情報公開法・行政文書開示請求・公文書開示請求では、行政機関が保有する文書は原則として開示対象になり得ます。そのため、企業側では、文書・ページ・記載部分ごとに、どの不開示事由に当たり、開示されるとどの不利益が生じるのかを具体的に整理することが重要です。

この記事では、情報公開法や自治体条例に基づく第三者意見照会を受けた企業側に向けて、反対意見書の書き方、添付資料、マスキング案、提出後の流れを解説します。

  • 反対意見書では、開示に反対する意思だけでなく、対象文書・対象部分を特定します。
  • 不開示理由は、情報公開法5条2号イ、任意提供情報、個人情報、事務事業支障などに分けて整理します。
  • 企業秘密や社外秘という表現だけでは弱く、開示により推知される内容と不利益を具体化します。
  • 全面不開示にこだわるだけでなく、部分開示・マスキング案を併せて示すことが有効です。
  • 反対意見書を出しても開示決定がされる可能性があるため、提出後の争訟準備も意識します。

坂尾陽弁護士

反対意見書は、感情的な抗議文ではなく、行政機関が開示・不開示を判断するための実務資料です。読まれる相手を意識して、文書のどの部分がなぜ開示できないのかを整理しましょう。

執筆者:弁護士 坂尾 陽(企業法務・M&A担当)

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反対意見書とは

反対意見書とは、開示請求の対象となった行政文書に第三者である企業の情報が含まれる場合に、その企業が開示に反対する意思と理由を行政機関に伝える書面です。

国の行政機関については、行政機関の保有する情報の公開に関する法律13条が、第三者に意見書提出の機会を与える手続を定めています。第三者が開示に反対する意見書を提出したにもかかわらず行政機関が開示決定をする場合、開示決定日と開示実施日の間には少なくとも2週間を置くものとされています。

ただし、反対意見書を提出したからといって、当然に不開示になるわけではありません。行政機関は、開示請求者の権利、情報公開制度の趣旨、不開示事由の有無、部分開示の可否を踏まえて判断します。

意見照会書への回答と反対意見書の違い

意見照会書への回答は、行政機関から送られた照会に対して、開示に反対するかどうか、反対する場合の理由は何かを示すものです。そのうち、開示に反対する意思を明らかにする書面が、実務上「反対意見書」と呼ばれます。

意見照会書が届いた段階の初動対応は、情報公開法の意見照会書が届いた企業の初動対応で詳しく解説しています。本記事では、その次の段階として、反対理由をどのように書面化するかに絞って説明します。

MEMO

反対意見書は、一般民事事件の反論書や、発信者情報開示請求の回答書とは別の書面です。インターネット投稿者向けのテンプレートをそのまま使うと、情報公開法上の不開示理由とずれるおそれがあります。


反対意見書を書き始める前に確認する資料

反対意見書は、対象文書を見ないまま抽象的に書くと弱くなります。まずは、届いた意見照会書と自社側の保有資料を照合し、どの部分が開示される可能性があるのかを特定します。

確認する資料 確認するポイント 反対意見書への反映
意見照会書 発出機関、根拠法令・条例、回答期限、対象文書、開示予定部分 宛先、提出期限、対象文書の特定に使う
対象文書の写し・過去提出版 申請書、報告書、添付資料、見積書、契約書、技術資料のどの部分か ページ、項目、表、行単位で反対部分を特定する
提出時の経緯資料 提出が任意か、法令上の義務か、非公開条件の有無 任意提供情報や信頼関係の説明に使う
社内規程・秘密管理資料 社外秘表示、アクセス制限、取扱者、保存場所 秘密性や非公表性を裏付ける資料にする
事業部ヒアリングメモ 競業者、取引先、需要者、供給者が情報をどう利用し得るか 開示による具体的不利益を記載する
公表資料 既に公表されている情報と未公表情報の境界 開示可能部分と不開示部分を分ける

特に重要なのは、行政機関から見て「どの記載を黒塗りにすべきか」が分かる状態にすることです。資料全体を「企業秘密」とするだけでは、部分開示の検討に耐えられません。

回答期限から逆算して社内作業を分ける

第三者意見照会では、回答期限が短いことがあります。期限が近い場合でも、最低限、対象文書の特定、反対部分のマーク、根拠条文、主な不利益、添付資料の有無を整理します。

  • 当日中:意見照会書、対象文書、回答期限、担当部署を確認する
  • 翌営業日まで:法務、総務、事業部、提出部署、経営層への共有範囲を決める
  • 提出前:反対部分、理由、マスキング案、添付資料、提出方法を確認する
  • 提出後:行政機関からの追加照会と、開示決定が出た場合の対応を準備する
注意

回答期限に間に合わないおそれがある場合でも、無断で放置するのは避けるべきです。担当部署に期限延長の可否、対象文書の確認方法、追加資料提出の可否を早めに確認します。


反対意見書の基本構成

反対意見書の形式は、行政機関や自治体の様式によって異なります。指定様式がある場合はそれを優先します。指定様式だけでは理由を書ききれない場合は、別紙として理由書やマスキング案を添付する方法を検討します。

項目 書く内容 注意点
宛先・表題 発出機関、担当部署、文書番号、反対意見書であること 照会書の記載に合わせる
提出者 会社名、所在地、代表者又は担当部署、連絡先 社内権限と押印・電子提出の要否を確認する
対象文書 開示請求の対象文書名、提出日、文書番号、該当ページ 対象文書の取り違えを防ぐ
反対する範囲 全部か一部か、ページ・項目・行単位の反対部分 全面反対だけでなく部分開示案を検討する
不開示理由 該当する条文・条例と、具体的な不利益 条文名だけではなく事実を記載する
添付資料 秘密管理資料、契約資料、技術説明、競争環境の資料 公開してよい資料と秘匿すべき資料を分ける
結論 不開示又はマスキングを求める範囲 行政機関が処理しやすい形にする

結論は冒頭で明確にする

反対意見書では、冒頭で「どの文書のどの部分について開示に反対するのか」を明確にします。行政機関の担当者が、反対範囲と理由をすぐ把握できる構成にすることが重要です。

たとえば、「別紙1記載の対象部分については、情報公開法5条2号イに該当するため不開示とされたい。仮に全部不開示が困難な場合でも、別紙2のマスキング案の範囲は少なくとも不開示とされたい。」という形で、主位的な要望と予備的なマスキング案を分けて示します。

不開示条項と事実をセットで書く

反対意見書では、根拠条文と事実をセットで記載します。「情報公開法5条2号イに該当します」と書くだけでは、行政機関がその理由を判断しにくくなります。

書き方の中心は、対象部分、読み取られる情報、利用し得る第三者、生じる不利益をつなげることです。次のように、文章の流れを作ると整理しやすくなります。

  • 対象部分:対象文書○頁の見積内訳、原価率、取引先名、技術仕様などを特定する
  • 推知される内容:価格設定、製造原価、仕入条件、技術水準、顧客構成などを説明する
  • 利用者:競業者、需要者、供給者、取引先、報道機関など、利用し得る主体を示す
  • 不利益:価格交渉上の不利、競争上の地位低下、ノウハウ流出、信用低下などを具体化する

法人情報・営業秘密を不開示理由にする書き方

企業情報の開示に反対する場合、中心になりやすいのは、情報公開法5条2号イの法人情報です。詳しい要件は、情報公開法5条2号の法人情報・営業秘密とはで解説しています。

反対意見書では、法律論を長く書くよりも、自社の文書に即して、開示によりどのような情報が読み取られ、どのような競争上・営業上の不利益が生じるのかを具体化します。

「何が推知されるか」を書く

最高裁平成23年10月14日判決は、工場単位の燃料・電気使用量などの数値情報について、エネルギーコスト、製造原価、省エネ技術水準、価格交渉材料などの推知につながる点を重視しました。

この考え方は、反対意見書の実務でも参考になります。単に「数値は秘密」と書くのではなく、その数値から何が読み取られるのかを説明します。

対象情報 推知される可能性がある内容 書き方の方向性
見積内訳・原価資料 粗利、仕入単価、価格交渉余地 競業者や取引先に価格戦略を推知されると説明する
技術仕様・工程資料 製造方法、品質管理、設備能力、技術上の工夫 模倣や競争上の優位性低下につながると説明する
取引先名・顧客名 営業先、販売網、調達先、提携関係 取引先への接触や営業妨害のリスクを説明する
事業計画・補助金資料 未公表の投資計画、新規事業、資金計画 市場投入前の戦略が外部に把握されると説明する
行政調査・改善報告 弱点、事故原因、未公表の改善課題 信用低下や誤解に基づく取引上の不利益を説明する

「誰が利用すると不利益か」を書く

不利益は、抽象的に「競争上不利」と書くだけでは伝わりにくいことがあります。競業者、仕入先、販売先、顧客、需要者、報道機関、地域住民など、誰がその情報を利用するとどのような不利益が生じるのかを分けて書きます。

たとえば、価格表であれば競業者だけでなく、主要取引先や仕入先に知られた場合の価格交渉上の不利益も問題になります。技術資料であれば、競業者による模倣だけでなく、共同研究先や委託先との契約上の信頼関係にも影響することがあります。

「社外秘」「営業秘密」だけで終わらせない

最高裁平成13年11月27日判決は、法人が主観的に知られたくないと考えるだけでは足りないという考え方を示しています。実務上も、社外秘表示や営業秘密というラベルは重要な事情の一つにすぎません。

反対意見書では、社外秘表示、アクセス制限、秘密保持契約、社内規程などを示しつつ、それだけで終わらせず、開示により客観的にどのような不利益が生じるのかまで記載します。

MEMO

不正競争防止法上の営業秘密と、情報公開法5条2号の不開示情報は、重なる部分がありますが同一ではありません。反対意見書では、情報公開法上の不開示理由として説明し直す必要があります。


部分開示・マスキング案の作り方

反対意見書では、全面不開示を求める場合でも、予備的に部分開示・マスキング案を示すことが有効です。情報公開制度では、文書の一部に不開示情報が含まれる場合でも、それ以外の部分を区分できるときは部分開示が検討されます。

そのため、企業側が「この資料は全体として秘密です」とだけ主張すると、行政機関がどの部分を保護すべきか判断しにくくなります。自社側から、最低限不開示とすべき範囲を具体的に示すことが重要です。

マスキング案ではページ・行・項目を特定する

マスキング案では、「別紙資料のうち重要部分」ではなく、ページ、表題、項目名、行、列、図面番号などをできる限り特定します。電子データの場合は、シート名、セル範囲、ファイル名、図表番号を示すと分かりやすくなります。

  • 悪い例:技術情報はすべて不開示にしてください。
  • 改善例:対象文書3頁の「処理条件」欄のうち、温度、圧力、添加剤名、処理時間は、製造ノウハウを推知させるため不開示としてください。
  • 悪い例:契約書は取引先との関係上、全部開示不可です。
  • 改善例:契約書のうち、取引先名、単価、最低発注量、違約金、納入条件は価格交渉上の地位を害するため不開示としてください。

開示してよい部分も切り分ける

不開示を求める部分だけでなく、開示して差し支えない部分を切り分けることも大切です。会社名、提出日、一般的な制度説明、既に公表済みの概要など、開示されても不利益が小さい部分を整理しておくと、反対意見書全体の説得力が上がります。

全てを黒塗りにしようとすると、かえって不開示理由が薄い部分まで含まれ、行政機関に受け入れられにくくなることがあります。守るべき情報に主張を集中させることが、実務上は重要です。


添付資料・疎明資料の整理

反対意見書では、本文だけでなく、必要に応じて添付資料を付けます。添付資料は、行政機関が不開示理由を判断するための補助資料です。ただし、添付資料自体が新たな開示対象になる可能性や、後の審査請求・訴訟で参照される可能性も意識する必要があります。

添付資料の例 裏付ける内容 注意点
社内規程・秘密管理規程 非公表性、管理体制、取扱者の限定 不要な社内情報まで出さず、必要部分を抜粋する
秘密保持契約・取引基本契約 取引先との非公開合意、契約上の守秘義務 相手方名や契約条件自体を秘匿すべき場合は処理を検討する
公表資料との比較表 既公表情報と未公表情報の境界 公表済みだから開示されてもよい部分と、未公表部分を分ける
競合状況の説明資料 競業者が情報を利用し得る具体的状況 抽象的な市場説明ではなく、自社事業に即して説明する
担当部署の説明メモ 記載部分から推知される技術・原価・取引条件 後で説明者が分かるよう部署・作成日を残す
マスキング案 不開示を求める範囲と予備的な部分開示案 黒塗り理由を一覧表と対応させる

添付資料にも秘匿情報が含まれる場合

添付資料に、さらに秘匿すべき情報が含まれることがあります。その場合は、提出範囲を最小限にし、必要に応じて添付資料自体にもマスキングを施すか、要約資料に置き換える方法を検討します。

行政機関に提出する資料は、将来の審査請求、訴訟、情報公開手続で問題になることがあります。反対意見書の説得力を高めるために何でも添付するのではなく、必要性とリスクを見て提出資料を選ぶことが重要です。


反対意見書で避けるべきNG例

反対意見書では、限られた期限内で主張をまとめる必要がありますが、次のような書き方は避けるべきです。

NG例 問題点 改善方向
「当社は開示に反対します」だけを書く 不開示事由や不利益が分からない 対象部分、根拠条文、具体的不利益を書く
「営業秘密なので全部不開示」と書く 営業秘密と情報公開法上の不開示理由が混同される 開示により推知される内容と不利益を整理する
請求者の属性や目的だけを非難する 不開示情報該当性の説明にならないことが多い 情報の性質と開示による影響に焦点を当てる
対象文書全体を一括で秘密扱いする 部分開示の検討に対応できない ページ・項目ごとにマスキング案を示す
テンプレートをそのまま流用する 事案固有の不利益が伝わらない 自社資料、競争環境、取引関係に合わせて書く

請求者の目的だけを争いすぎない

企業側としては、開示請求者の目的や過去の経緯に不信感がある場合もあります。しかし、情報公開制度では、請求者が誰であるか、どのような目的で請求したかだけで不開示になるとは限りません。

反対意見書では、請求者を非難する表現に寄せすぎるよりも、対象情報そのものの性質、開示により生じる客観的な不利益、部分開示で保護すべき範囲に焦点を当てる方が有効です。

注意

事実関係に争いがある行政処分、事故、環境、安全、消費者保護に関する情報では、企業側の不利益だけでなく、開示の公益性も問題になり得ます。反対意見書では、隠すべき情報と説明可能な情報を冷静に分けることが重要です。


文書類型別の書き方

反対意見書の内容は、対象文書の種類によって変わります。以下は、企業側で問題になりやすい文書類型と、書き方の方向性です。

技術提案書・仕様書

技術提案書や仕様書では、単なる製品説明と、製造方法、処理条件、システム構成、セキュリティ設計、品質管理方法などのノウハウ部分を分けます。特に、競業者がその情報を利用すると、模倣、価格競争力の低下、提案手法の流出につながる部分を具体的に記載します。

契約書・見積書・入札資料

契約書、見積書、入札資料では、単価、数量、割引条件、最低発注量、違約金、納入条件、評価項目、提案価格の内訳などが問題になります。取引先や競業者に知られると、価格交渉や入札戦略にどのような影響が出るのかを説明します。

補助金・許認可・行政申請資料

補助金、許認可、行政申請資料では、事業計画、資金計画、設備投資計画、未公表の新規事業、研究開発内容などが含まれることがあります。既に公表された事業概要と、未公表の詳細計画を分け、未公表部分の開示により生じる競争上の不利益を記載します。

行政調査・改善報告・事故報告

行政調査、改善報告、事故報告では、信用低下、取引停止、誤解に基づく報道、未公表の内部管理情報の流出が問題になり得ます。ただし、安全、環境、消費者保護、住民利益と関わる場合は、開示の必要性も強く主張されることがあります。反対意見書では、不開示を求める部分と、説明可能な部分を分けて整理します。

環境・エネルギー・原価関連資料

環境・エネルギー関連の数値資料では、単なる環境情報に見えても、工場単位の使用量、効率、設備能力、原価構造、製造方法が推知されることがあります。数値の組合せにより何が分かるのかを、技術部門や経理部門の確認を踏まえて具体化します。


提出後の流れと開示決定への備え

反対意見書を提出した後、行政機関は、その内容を踏まえて開示、不開示、部分開示を判断します。追加照会が来ることもあれば、反対意見書の内容を踏まえて一部だけマスキングされることもあります。

重要なのは、反対意見書を提出して終わりにしないことです。提出後は、担当部署との連絡状況、追加資料の提出期限、開示決定予定日、開示決定がされた場合の社内決裁ルートを整理しておきます。

  • 提出日、提出方法、受領確認、担当者名を記録する
  • 提出した反対意見書、別紙、添付資料、マスキング案を社内で保存する
  • 行政機関から追加照会が来た場合に、誰が回答するかを決めておく
  • 開示決定がされた場合の審査請求、取消訴訟、執行停止の検討体制を準備する
  • 開示実施日前に対応できるよう、経営層への報告ルートを確保する

反対意見書を提出していたにもかかわらず開示決定がされた場合の対応は、開示決定後に企業が取るべき審査請求・取消訴訟・執行停止で詳しく解説しています。

開示決定後に争う可能性を見据えて書く

反対意見書は、行政機関の判断資料であると同時に、後で争訟になった場合の基礎資料にもなります。後から「実はこの部分も重要だった」と気づいても、開示実施日までの時間が限られることがあります。

そのため、提出時点で、対象文書、反対部分、不利益、添付資料、社内ヒアリング結果をできる限り整理しておくことが、開示決定後の対応にもつながります。


反対意見書についてよくある質問

反対意見書を出せば必ず不開示になりますか。

必ず不開示になるわけではありません。反対意見書は、行政機関が開示・不開示を判断するための資料です。対象部分が不開示情報に当たることを、具体的な事実と資料で説明する必要があります。

テンプレートだけで提出してもよいですか。

形式面の参考としてテンプレートを使うこと自体は可能ですが、そのまま流用するのは危険です。企業情報の開示リスクは、文書の種類、業界、取引関係、公開状況、競争環境によって変わるため、事案に合わせた記載が必要です。

反対意見書に営業秘密と書けば足りますか。

足りないことが多いです。営業秘密というラベルだけでなく、どの記載から何が推知され、誰が利用し、どの競争上・営業上の不利益が生じるのかを説明します。必要に応じて、秘密管理資料やマスキング案を添付します。

一部だけなら開示してもよい場合はどう書くべきですか。

開示して差し支えない部分と、不開示を求める部分を分けて書きます。予備的にマスキング案を付けることで、行政機関に対し、少なくとも保護すべき範囲を具体的に示すことができます。

自治体の公文書開示請求でも同じ書き方でよいですか。

基本的な考え方は共通しますが、自治体条例では条番号、様式、期限、意見照会の運用が異なることがあります。必ず照会書に記載された条例、規則、要綱、提出期限を確認したうえで作成します。


まとめ

反対意見書の書き方で重要なのは、開示に反対する意思を示すだけでなく、文書・記載部分ごとに不開示理由を具体化することです。企業情報、営業秘密、取引先情報、技術情報、原価情報などは、開示によって何が推知され、誰が利用し、どのような不利益が生じるのかを整理します。

  • 反対範囲は、文書全体ではなくページ・項目・行単位で特定する
  • 情報公開法5条2号イなどの根拠条文と、具体的な不利益をセットで書く
  • 社外秘表示や営業秘密のラベルだけでなく、推知可能性と競争上の影響を説明する
  • 全面不開示だけでなく、予備的なマスキング案・部分開示案を検討する
  • 提出後に開示決定が出る可能性を見据え、証拠と社内判断を整理しておく

行政文書開示請求の対象になる文書は、補助金、入札、許認可、行政調査、行政処分、環境・エネルギー報告、共同研究資料など多岐にわたります。反対意見書の提出期限が近い場合や、対象文書に重要な営業情報が含まれる場合は、早い段階で対象文書と不開示理由を整理することが重要です。

坂尾陽弁護士

反対意見書は、あとから争訟になったときの土台にもなります。迷う場合は、対象文書を見ながら、守るべき部分と開示してよい部分を切り分けるところから始めましょう。

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