国の情報公開法・独立行政法人情報公開法・自治体条例の違い|企業側の確認ポイント

国の情報公開法、独立行政法人等情報公開法、自治体の情報公開条例は、いずれも公的機関が保有する文書の開示を求める制度です。企業にとって重要なのは、請求者がどの制度を使うかという一般論だけではありません。自社が提出した資料を、どの機関が、どの根拠法令又は条例に基づいて保有しているのかを早い段階で切り分けることです。

同じ「情報公開請求」「公文書開示請求」という言葉が使われていても、国の行政機関、独立行政法人等、国立大学法人、都道府県、市区町村、地方独立行政法人、外郭団体では、対象文書の名称、窓口、期限、第三者意見照会の様式、反対意見書提出後の通知方法が異なることがあります。

この記事では、企業が行政機関・独立行政法人等・自治体に提出した資料について開示請求を受ける場面を前提に、国の情報公開法、独立行政法人情報公開法、自治体条例の違いと、企業側で最初に確認すべきポイントを整理します。

  • 国の行政機関が保有する行政文書は、原則として行政機関情報公開法の問題になります。
  • 独立行政法人、国立大学法人などが保有する法人文書は、独立行政法人等情報公開法の問題になることがあります。
  • 都道府県・市区町村が保有する公文書は、各自治体の情報公開条例に基づいて判断されます。
  • 第三者意見照会、反対意見書、開示決定後の通知には共通点がありますが、条番号・様式・期限は機関ごとに確認が必要です。
  • 企業側では、書面の根拠法令、対象文書、提出期限、開示予定部分、争訟期限を最初に確認します。

坂尾陽弁護士

情報公開請求への対応では、「どの制度か」を見誤ると、提出先、期限、不開示理由の書き方がずれます。届いた書面の名称よりも、発出機関と根拠法令を先に確認しましょう。

執筆者:弁護士 坂尾 陽(企業法務・M&A担当)

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まず確認するのは「どの機関が文書を持っているか」

企業に意見照会書や開示決定通知が届いたときは、最初に、対象文書を保有している機関を確認します。請求者がどこへ請求したのか、自社がどの機関へ資料を提出したのか、通知書の発出者が誰なのかを見れば、適用される制度を絞り込めます。

たとえば、中央省庁、庁、委員会など国の行政機関が保有している文書であれば、国の情報公開法が問題になります。一方、独立行政法人や国立大学法人などが保有する文書であれば、独立行政法人等情報公開法が問題になることがあります。都道府県や市区町村が保有する公文書であれば、その自治体の情報公開条例を確認します。

文書を保有する機関 主に確認する根拠 文書の呼び方の例 企業側の入口対応
国の行政機関 行政機関情報公開法 行政文書 行政機関名、対象文書、開示予定部分、意見書提出期限を確認する
独立行政法人・国立大学法人等 独立行政法人等情報公開法 法人文書 対象法人、法人文書ファイル、提出資料の保有状況を確認する
都道府県・市区町村 各自治体の情報公開条例 公文書、行政文書など 条例名、実施機関、様式、提出期限、第三者保護手続を確認する
地方独立行政法人・外郭団体・指定管理者 条例、法人側規程、自治体の関与規定 公文書、法人文書、管理資料など 条例の適用対象か、法人独自の公開制度かを確認する

名称だけで判断しないことも重要です。自治体の条例では「公文書」、国の行政機関では「行政文書」、独立行政法人等では「法人文書」という表現が使われることがあります。もっとも、企業側対応の実務では、名称よりも、誰が保有し、どの制度で開示判断をしているかが重要です。

用語メモ

企業が行政に提出した資料が開示対象になる入口は、行政文書開示請求とは|企業が提出した資料が開示対象になる場面で詳しく整理しています。本記事では、その先の「適用法令・条例の切り分け」に絞って解説します。


国の行政機関に適用される情報公開法

国の行政機関が保有する文書については、行政機関の保有する情報の公開に関する法律が基本になります。一般に「情報公開法」と呼ばれることが多い法律です。

この制度では、行政機関の職員が職務上作成・取得し、組織的に用いるものとして保有している文書、図画、電磁的記録などが行政文書として問題になります。企業が提出した許認可申請書、報告書、技術資料、入札資料、行政調査への回答書なども、行政機関が保有していれば、開示請求の対象になり得ます。

第三者意見照会と反対意見書

開示請求の対象文書に企業の情報が含まれる場合、行政機関は、開示決定等をする前に企業へ意見書提出の機会を与えることがあります。これが、実務上「第三者意見照会」「意見照会書」と呼ばれる場面です。

企業が開示に反対する意見書を提出したにもかかわらず、行政機関が開示決定をする場合には、開示決定の日と開示を実施する日の間に少なくとも2週間を置く仕組みがあります。この期間は、企業側が審査請求、取消訴訟、執行停止を検討するための重要な時間です。

意見照会書が届いた段階の期限管理や社内確認は、情報公開法の意見照会書が届いた企業の初動対応で詳しく解説しています。反対理由の書き方は、反対意見書の書き方|企業情報の不開示を求める資料整理も参考にしてください。

国の行政機関で問題になりやすい企業資料

国の行政機関では、許認可、補助金、行政調査、行政指導、行政処分、入札、研究開発、環境・エネルギー報告など、企業が行政に提出する資料が幅広く保有されます。これらの資料には、売上、原価、取引先、技術、製造工程、設備、価格、事故対応、品質管理、社内体制などが含まれることがあります。

企業側では、単に「国に提出した資料だから安全」と考えず、行政文書として開示請求を受ける可能性を意識しておく必要があります。特に、競業者が利用すれば事業上の不利益につながる情報については、提出時のマスキング、添付資料の範囲、秘密表示、非公表部分の整理が重要になります。


独立行政法人等情報公開法が適用される場面

独立行政法人や一定の法人が保有する文書については、独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律が問題になります。検索では「独立行政法人情報公開法」と表記されることもありますが、正式には「独立行政法人等」の情報公開法です。

この法律では、独立行政法人等の役員又は職員が職務上作成・取得し、組織的に用いるものとして当該法人が保有している文書、図画、電磁的記録などが「法人文書」として開示請求の対象になります。

国立大学法人・研究機関との取引や共同研究で問題になりやすい

独立行政法人等情報公開法は、典型的には、独立行政法人、国立大学法人、研究機関などが保有する法人文書の開示請求で問題になります。対象法人は制度上整理されており、e-Govの独立行政法人等に関する情報公開ページなどで関連情報を確認できます。

企業実務では、国立大学法人との共同研究、受託研究、寄附講座、医療・医薬・技術開発、仕様書・提案書、入札、委託契約、成果報告書などが問題になりやすい領域です。研究計画書、評価資料、見積書、仕様書、共同研究契約に付随する資料などに、企業の技術情報や事業戦略が含まれることがあります。

第三者保護手続は似ていても、通知の主体と文書名が違う

独立行政法人等情報公開法にも、第三者に対する意見書提出の機会、反対意見書が出された後に開示決定をする場合の通知、開示決定日と開示実施日の間に少なくとも2週間を置く仕組みがあります。

もっとも、通知の主体は行政機関の長ではなく、独立行政法人等です。文書名も行政文書ではなく法人文書と呼ばれます。そのため、意見書の宛先、提出先、対象文書の管理部署、法人文書ファイル管理簿、開示方法などは、当該法人の案内や通知書に従って確認する必要があります。

注意

国立大学法人や研究機関に提出した資料では、研究成果の公表、論文、共同研究契約、秘密保持契約、情報公開制度が重なって問題になることがあります。秘密保持契約がある場合でも、情報公開請求への対応を当然に排除できるとは限らないため、契約条項と情報公開手続を分けて確認してください。


自治体の情報公開条例が適用される場面

都道府県、市区町村などの地方公共団体が保有する公文書については、国の情報公開法ではなく、各自治体の情報公開条例が基本になります。条例名、対象文書の定義、開示決定期限、第三者意見照会の様式、審査請求後の審査会手続などは、自治体ごとに異なります。

自治体別では、東京都情報公開条例千葉県の情報公開制度大阪府の情報公開制度の案内など、自治体ごとの公式ページで条例・規則・様式を確認します。東京都の情報公開事務に関する規則のように、意見照会書や通知書の様式に関する規定が別に置かれていることもあります。

自治体条例では「同じ結論」と思い込まない

自治体の情報公開条例は、国の情報公開法と似た構造を持つことが多い一方で、条番号、用語、期限、対象機関、外郭団体の扱い、手数料、電子データの開示方法、審査会の名称などが異なります。

そのため、東京都での取扱い、千葉県での取扱い、大阪府での取扱い、市区町村での取扱いを同じものとして扱うのは危険です。企業が反対意見書を出すときは、通知書に記載された条例名と条番号を基準にし、当該自治体の公式ページ、条例、規則、様式を確認します。

地方独立行政法人・出資法人・指定管理者にも注意する

自治体案件では、都道府県や市区町村そのものだけでなく、地方独立行政法人、外郭団体、出資法人、指定管理者、第三セクターなどが関係することがあります。条例上これらの団体にどこまで情報公開義務や努力義務が及ぶかは、自治体ごとに確認が必要です。

企業が、自治体病院、大学、研究機関、指定管理施設、第三セクター、外郭団体に提出した資料について開示請求を受けた場合は、まず通知書を読み、根拠が自治体条例なのか、地方独立行政法人側の規程なのか、国の法律なのかを切り分ける必要があります。


国・独立行政法人等・自治体条例の主な違い

企業側から見ると、どの制度でも「自社資料が開示されるか」「反対意見書を出すか」「開示決定を止める必要があるか」が中心になります。ただし、実務処理では、次のような違いを確認しなければなりません。

比較項目 国の情報公開法 独立行政法人等情報公開法 自治体条例
対象機関 国の行政機関 独立行政法人等 都道府県・市区町村等の実施機関
対象文書 行政文書 法人文書 公文書、行政文書など条例ごとの名称
第三者意見照会 情報公開法13条を確認 独立行政法人等情報公開法14条を確認 各条例の第三者保護規定を確認
反対意見書後の開示決定 開示決定日と開示実施日の間に少なくとも2週間 同様に少なくとも2週間の仕組み 同様の規定がある条例も多いが、必ず条文確認
窓口・様式 行政機関ごとに案内 法人ごとに案内 自治体ごとに条例・規則・様式が異なる
企業側の注意点 行政処分・許認可・補助金・入札資料に注意 研究、共同研究、委託、国立大学法人案件に注意 地域案件、指定管理、外郭団体、条例差に注意

このように、実体として似た制度であっても、根拠規定、手続書面、対象文書の名称が異なります。反対意見書では、通知書に記載された根拠条文に沿って、不開示理由、対象部分、部分開示案を整理することが重要です。

不開示理由の中心になる法人情報・営業秘密の考え方は、情報公開法5条2号の法人情報・営業秘密とはで詳しく解説しています。国の法律でも条例でも、「企業が知られたくない」というだけでは足りず、開示により生じる具体的な不利益を整理することが重要です。


適用制度を間違えると起こる実務上の問題

情報公開請求への対応では、根拠制度を間違えると、提出期限、提出先、反対理由、争訟手続の検討がずれてしまいます。特に、国、独立行政法人等、自治体が複数関係する案件では注意が必要です。

  • 期限を見誤る
    国の手続で見た期限を自治体条例にもそのまま当てはめると、意見書提出期限や開示予定日の確認が遅れることがあります。
  • 宛先を誤る
    行政機関、独立行政法人、自治体、地方独立行政法人では、意見書や問い合わせの提出先が異なります。
  • 根拠条文がずれる
    国の情報公開法5条2号をそのまま自治体条例の反対意見書に書くと、条例上の対応条文とずれることがあります。
  • 対象文書の特定が甘くなる
    行政文書、法人文書、公文書の管理単位が違うため、対象ファイルや添付資料の範囲を取り違えることがあります。
  • 争訟準備が遅れる
    開示決定後に審査請求、取消訴訟、執行停止を検討する場合、根拠制度と開示実施日を正確に確認する必要があります。

企業側の初動では、通知書のタイトルだけでなく、本文中の根拠条文、提出先、提出期限、開示予定部分、開示予定日を確認します。分からない点がある場合は、担当機関に対象文書の範囲、開示予定部分、意見書の提出方法を確認することが重要です。

開示決定後に争う必要がある場合は、開示決定後に企業が取るべき審査請求・取消訴訟・執行停止も確認してください。


企業が通知書で確認すべきポイント

企業に意見照会書、意見書提出機会付与通知、開示決定通知、反対意見書提出者への通知などが届いた場合は、次の順に確認すると整理しやすくなります。

確認項目 見るべき箇所 実務上の意味
発出機関 通知書の差出人、担当部署、法人名、自治体名 国、独法等、自治体条例のどれかを切り分ける
根拠法令・条例 通知書本文、根拠条文、様式名 意見書の根拠、不開示理由、期限管理の土台になる
対象文書 文書名、ファイル名、作成日、提出日、添付資料 自社がどの資料を提出したかを社内で特定する
開示予定部分 黒塗り案、対象ページ、開示・不開示の区分 どの部分について反対意見を出すかを決める
提出期限 意見書提出期限、回答期限、到達方法 社内確認、弁護士相談、添付資料準備の逆算に使う
開示実施日 開示決定通知、反対意見書提出者への通知 審査請求、取消訴訟、執行停止を急ぐ必要があるか判断する
不服申立て・訴訟案内 教示欄、備考、通知書末尾 争う場合の期限、提出先、手続を確認する

特に、対象文書が複数年度にわたる場合、添付資料が多い場合、行政機関と独立行政法人の双方に提出している場合、自治体と外郭団体が関係する場合は、どの文書がどの制度で開示されようとしているのかを一覧化することが有効です。

整理のコツ

通知書ごとに「発出機関」「根拠法令・条例」「対象文書」「提出期限」「開示予定日」を表にすると、社内ヒアリング、反対意見書作成、開示決定後対応を同時に管理しやすくなります。


企業情報の不開示主張は制度ごとに書き分ける

国の情報公開法、独立行政法人等情報公開法、自治体条例では、法人情報、営業上の利益、任意提供情報、事務事業支障、個人情報など、不開示理由に共通する考え方があります。しかし、反対意見書に記載する条文番号や用語は、適用される制度に合わせて書き分ける必要があります。

「営業秘密」という表現だけに依存しない

企業側では、営業秘密、社外秘、機密情報、ノウハウという言葉を使いがちです。しかし、情報公開制度では、営業秘密という表示があることだけで当然に不開示になるわけではありません。

反対意見書では、開示されると、競業者、需要者、供給者、取引先、投資家、地域住民、報道機関などがどのように情報を読み取り、どのような競争上又は事業上の不利益が生じるのかを具体化します。価格交渉、原価推計、技術水準、製造能力、取引条件、顧客情報、研究開発方針など、推知される内容を文書の記載部分ごとに説明します。

条例では対応条文を確認する

自治体条例では、国の情報公開法と似た不開示事由が置かれていても、条番号や表現が異なります。国の情報公開法5条2号イに相当する規定が、条例では別の条番号になっていることがあります。

そのため、自治体の反対意見書では、国の法律の条文番号をそのまま書くのではなく、通知書に記載された条例名、条番号、自治体の審査基準を確認します。必要に応じて、国の法律との共通する考え方を説明しつつ、結論は条例上の不開示事由に引き付けて書くことが大切です。

全面不開示だけでなく部分開示・マスキング案を示す

どの制度でも、文書全体を非開示にする必要がない場合には、部分開示やマスキングが問題になります。企業側で守りたい情報が文書の一部である場合は、ページ、表、項目、数値、固有名詞、図面、添付資料ごとに、開示可能部分と不開示希望部分を分けて示すことが有効です。

マスキング案を作るときは、単に黒塗り箇所を多くするのではなく、なぜその部分を開示できないのかを説明できる状態にします。部分開示の考え方は、反対意見書の説得力にも直結します。


他の開示制度との混同を避ける

「開示請求」「情報開示」という言葉は、複数の制度で使われます。企業の担当者が制度を取り違えると、社内の確認部署や対応方針がずれてしまうことがあります。

混同しやすい制度 今回の記事との違い 注意点
保有個人情報開示請求 本人が自己に関する個人情報の開示を求める制度 企業提出資料の第三者意見照会とは根拠や判断枠組みが異なる
発信者情報開示請求 インターネット投稿者の情報開示を求める手続 意見照会書という言葉が共通しても、情報公開法上の第三者意見照会とは別制度
金融商品取引法上の開示 上場会社の有価証券報告書、適時開示など 行政文書開示請求とは目的も提出先も異なる
会社法上の帳簿閲覧請求 株主等が会社内部資料の閲覧を求める制度 行政機関が保有する文書の開示とは別の問題
民事訴訟の文書提出命令 訴訟上の証拠提出を求める手続 不開示情報の判断ではなく、訴訟上の証拠提出義務が問題になる

企業の法務部・事業部・広報部・知財部・研究部門が同じ「開示」という言葉を違う意味で使っていることもあります。行政機関から届いた書面については、根拠法令や条例を確認し、情報公開制度の問題として整理することが出発点です。


よくある質問

独立行政法人情報公開法と情報公開法は同じですか

同じではありません。国の行政機関が保有する行政文書については行政機関情報公開法が基本となり、独立行政法人等が保有する法人文書については独立行政法人等情報公開法が問題になります。制度の考え方には共通点がありますが、対象機関、対象文書の名称、通知の主体、条番号が異なります。

国立大学法人に提出した共同研究資料は開示対象になりますか

国立大学法人が職務上取得し、組織的に用いるものとして保有している資料であれば、法人文書として開示請求の対象になる可能性があります。ただし、開示対象になることと、実際に全部開示されることは別です。企業の技術情報、営業情報、研究開発情報などが含まれる場合は、不開示又は部分開示の主張を検討します。

自治体条例でも反対意見書を出せますか

多くの自治体条例では、第三者の情報が記録された公文書を開示する場合に、第三者へ意見書提出の機会を与える仕組みが置かれています。ただし、条番号、様式、提出期限、通知方法は自治体ごとに異なります。通知書に記載された条例名と担当部署を確認してください。

条例が違っても、反対理由は同じでよいですか

事実関係や不利益の説明は共通する部分がありますが、反対意見書の根拠条文や表現は制度ごとに書き分ける必要があります。国の情報公開法の条文番号をそのまま自治体条例の反対意見書に書くのではなく、条例上の不開示事由に対応させて整理します。

開示決定が出た後に制度の違いを確認しても間に合いますか

開示決定後は時間が限られます。反対意見書を提出した第三者に対しては、開示決定後の通知や開示実施日までの期間が問題になりますが、審査請求、取消訴訟、執行停止を検討するには、根拠制度、開示実施日、対象文書、争うべき不開示理由を速やかに整理する必要があります。


まとめ|根拠法令・条例の切り分けが企業側対応の出発点

情報公開請求への企業側対応では、最初に、対象文書を保有している機関と根拠法令・条例を確認することが重要です。国の行政機関、独立行政法人等、国立大学法人、自治体、地方独立行政法人、外郭団体では、似た制度であっても、手続書面、対象文書、提出先、期限が異なることがあります。

  • 国の行政機関なら行政機関情報公開法、独立行政法人等なら独立行政法人等情報公開法、自治体なら各情報公開条例を確認します。
  • 届いた通知書では、発出機関、根拠法令・条例、対象文書、提出期限、開示予定部分、開示実施日を確認します。
  • 企業情報の不開示主張では、制度ごとの条文に合わせて、開示による具体的な不利益を整理します。
  • 自治体条例は条番号・様式・期限が異なるため、各自治体の公式情報を確認します。
  • 開示決定後は、審査請求、取消訴訟、執行停止の検討を急ぐ必要があります。

企業が提出した資料が情報公開請求の対象になった場合、根拠制度の切り分け、対象文書の特定、不開示理由の整理、反対意見書の提出、開示決定後の対応を短期間で進める必要があります。通知書が届いた段階で、どの制度に基づく手続かを確認し、守るべき情報を文書・記載部分ごとに整理しましょう。

坂尾陽弁護士

国・独立行政法人等・自治体条例の違いは、細かな手続だけの問題ではありません。企業情報を守るためには、根拠制度を正しく切り分けたうえで、期限内に具体的な反対理由を示すことが重要です。

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