公益通報を受けた企業の対応|受付・調査・通報者保護・是正措置

公益通報や内部通報を受けた企業は、通報者の氏名を確認したり、直ちに被通報者へ事情を尋ねたりする前に、秘密保持、利益相反の排除、証拠保全、被害拡大防止を同時に設計する必要があります。初動で通報者が推測できる情報を不用意に共有すると、報復や証拠隠しを招き、調査の信用性も損なわれます。

通報内容が公益通報者保護法上の「公益通報」に該当するか未確定でも、法令違反、品質不正、会計不正、ハラスメント、情報漏えいなどの可能性があれば、社内規程とリスクに応じた対応が必要です。法定要件の判定だけを理由に調査を止めるべきではありません。

この記事では、公益通報を受けた企業の対応を、受付、初期評価、調査、是正、通報者保護、結果通知、フォローアップまで時系列で解説します。企業不祥事全般の初動は、企業不祥事への対応と危機管理の実務もご確認ください。

  • 受付直後から通報者を特定させる情報を限定管理する
  • 経営陣や担当部署が関係する場合は独立した調査体制を選ぶ
  • 被通報者への連絡前にメール・ログ・会計資料等を保全する
  • 調査結果に応じて是正・処分・再発防止を速やかに行う
  • 通報後の配置・評価・職場環境を継続的に確認する

坂尾陽弁護士

通報を受けた直後は、内容の真偽より先に「誰まで共有するか」「消える証拠は何か」「今すぐ止める被害はあるか」を決めます。通報者と被通報者の双方に配慮しながら、客観的な資料から確認を始めましょう。

執筆者:弁護士 坂尾 陽(企業法務・M&A担当)

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公益通報を受けた企業に求められる対応

公益通報者保護法は、一定の要件を満たす通報をした労働者等を解雇その他の不利益な取扱いから保護するとともに、事業者に内部公益通報への対応体制の整備を求めています。

常時使用する労働者が300人を超える事業者には、公益通報対応業務従事者の指定と、内部公益通報に適切に対応するための体制整備が義務付けられています。300人以下の事業者についても努力義務があります。企業規模が小さくても、通報を放置すれば法令違反や損害が拡大するため、受付先と初動責任者は決めておくべきです。

公益通報と社内の内部通報は完全には一致しない

法の保護対象となる公益通報には、通報者、通報内容、通報目的、通報先などの要件があります。一方、企業の内部通報制度は、ハラスメント、社内規程違反、倫理上の問題、将来の事故につながる兆候など、法定の公益通報より広い範囲を受け付けることが一般的です。

実務上のポイント

受付担当者が最初から公益通報該当性を厳格に判定し、「対象外」として処理を終えるのは危険です。法定要件の評価と、会社として調査・是正すべきリスクの評価を分けてください。

従事者の指定と守秘義務

内部公益通報窓口で受け付けた通報について、受付・調査・是正に主体的に関与し、通報者を特定させる事項を伝達される者は、原則として従事者に指定する必要があります。指定は本人に地位が明らかになる方法で行い、担当交代や外部委託時にも指定状況を確認します。

従事者には、正当な理由なく通報者を特定させる事項を漏らしてはならない守秘義務があります。違反には罰則があるため、単なる社内の秘密保持ルールではなく、法的義務として教育・管理する必要があります。


公益通報対応の基本フロー

通報対応は、受付から結果通知までを一つの案件として管理します。担当部署が途中で変わる場合も、責任者、期限、記録の所在を明確にします。

段階 主な対応 重要な注意点
受付 受領連絡、内容整理、連絡方法・匿名希望の確認 特定情報を必要最小限に限定する
初期評価 緊急性、法令、被害、証拠消失、利益相反を確認 被通報者への連絡を急がない
調査設計 調査責任者、対象、手法、期限、報告先を決定 関係者を調査チームから外す
証拠保全・調査 資料保全、データ分析、関係者聴取、反論確認 客観資料と供述を区別する
認定・是正 事実評価、被害停止、処分、回復、再発防止 法務・人事・経営の判断を分ける
通知・追跡 通報者への通知、不利益取扱いの確認、再評価 第三者の秘密や調査手法を漏らさない

通報内容に人身安全、製品事故、情報漏えい、証拠改ざん、送金継続などの緊急性がある場合は、調査計画の完成を待たず、暫定的な被害防止措置を先行させます。


受付時に確認する事項と通報者への説明

受付時は、通報者に同じ説明を何度も求めずに済むよう、事実と要望を整理します。ただし、通報者が不安や混乱を抱えていることもあるため、聞き取りを尋問のように進めてはいけません。

  • 何が起きたか:行為、日時、場所、関係者、対象部署、現在も継続しているかを確認します。
  • どのように知ったか:直接見聞きした事実、伝聞、推測を区別します。
  • 証拠の所在:メール、チャット、会計資料、録音、写真、ログ、契約書等の有無を確認します。
  • 緊急性:生命・身体、顧客、製品、情報、金銭、証拠消去への差し迫った危険を確認します。
  • 連絡方法:安全な連絡先、連絡可能時間、結果通知の希望を確認します。
  • 匿名・秘密保持の希望:氏名を誰まで共有できるか、どの事実から本人が推測され得るかを確認します。

受領後は、連絡可能な通報者に対して、受領したこと、今後の大まかな流れ、秘密保持の限界、追加連絡の方法を伝えます。「絶対に誰にも分からない」と約束するのではなく、必要最小限の共有と特定防止策を説明する方が適切です。

匿名通報でも具体性があれば調査する

匿名であることだけを理由に調査を拒むべきではありません。日時、部署、取引、資料の所在などが具体的で、客観的な確認が可能であれば、匿名通報でも調査できます。双方向の匿名連絡が可能な仕組みを用意すると、追加質問や結果通知がしやすくなります。

情報が抽象的で直ちに本格調査が難しい場合は、関連データの確認、同種の苦情・監査指摘の有無、一定期間のモニタリングなど、通報者を特定しにくい方法から着手します。

注意

通報受付後に、管理職が部下へ「誰が通報したのか」と聞き回ったり、アクセス履歴から通報者を割り出そうとしたりすると、通報者の探索や報復につながります。調査に必要な確認と、通報者を探す行為を混同しないでください。


初期評価|緊急対応と調査の要否を判断する

受付担当者は、通報内容をそのまま真実と決めつけることも、根拠が弱いとして直ちに退けることも避けます。初期評価では、次の観点から調査の要否と優先度を判断します。

  • 法令・契約上の期限:行政機関、取引所、顧客、委託元等への報告期限があるか
  • 被害の重大性:生命・身体、製品安全、個人情報、会計、資産、信用への影響
  • 継続性:違反行為や被害が現在も続いているか
  • 証拠消失の危険:メール削除、ログ上書き、書類廃棄、関係者の退職等のおそれ
  • 経営陣の関与:代表者、担当役員、通報窓口責任者が対象に含まれるか
  • 調査可能性:客観資料、関係者、システム、外部記録から確認できるか

法定指針では、正当な理由がある場合を除き、必要な調査を実施することが求められます。調査しないと判断する場合は、通報内容が特定できない、同一事案を既に十分調査済みで新情報がないなど、判断理由と確認した資料を記録しておきます。

暫定措置は懲戒処分と分ける

アクセス停止、職務変更、出荷停止、支払保留などの暫定措置が必要な場合があります。ただし、被通報者に対する暫定措置は、事実認定前の制裁にならないよう、必要性、範囲、期間を限定します。通報者の保護を理由に、被通報者の名誉や防御の機会を不当に害してはいけません。


調査体制の決め方|利益相反と独立性を確保する

調査の信用性は、誰が調査するかで大きく変わります。通報対象者、その直属部門、当該取引を承認した者、通報対応に利害を有する者は、受付、調査、事実認定、処分判断から外します。

経営陣が関係する通報

代表取締役や担当役員が関係する場合、通常の法務・人事ラインだけでは独立性を確保できないことがあります。監査役、監査等委員会、監査委員会、社外取締役への報告、外部弁護士による窓口・調査、独立した調査委員会などを検討します。

社外窓口を設けていても、その後の情報が被通報者の指揮下にある部署へそのまま渡れば、独立性は確保できません。受付だけでなく、調査方針、証拠へのアクセス、報告先、是正判断まで含めて設計します。重大事案の調査体制は、第三者委員会・不祥事調査の進め方も参考になります。

調査計画に定める事項

  • 調査対象となる事実、期間、部署、取引、関係者
  • 調査責任者、担当者、専門家、意思決定者、報告先
  • 保全する資料、収集方法、アクセス権限、保管場所
  • ヒアリングの順序、記録方法、同席者、反論確認の方法
  • 中間報告・最終報告の期限と、途中で範囲を変更する基準
  • 通報者・被通報者・調査協力者の秘密と個人情報の取扱い

証拠保全と事実調査の進め方

通報を受けてすぐに被通報者へ面談を求めると、メールやチャットの削除、関係者間の口裏合わせ、記憶の混同が生じることがあります。まず、消去・上書きされやすい客観資料を特定し、適法な範囲で保全します。

主な調査資料

類型 主な資料 確認ポイント
取引・会計 契約、稟議、請求書、仕訳、送金、在庫、取引先データ 承認経路、金額、相手方、実在性、例外処理
電子データ メール、チャット、ファイル、アクセスログ、端末記録 時系列、削除、共有、指示、権限変更
人事・労務 勤怠、評価、配置、面談記録、相談履歴 不利益取扱い、指揮命令、同種事案
品質・安全 検査記録、仕様書、製造記録、苦情、出荷・回収記録 基準逸脱、報告経路、被害範囲、継続性
内部統制 規程、権限表、監査報告、過去通報、是正記録 統制の不備、形骸化、警告の見落とし

会社メールや業務端末を確認する場合でも、就業規則、社内規程、プライバシー、通信の秘密、個人情報、海外法令等を踏まえ、必要性と相当性のある範囲に限定します。私物端末や個人アカウントの確認は、本人同意や法的根拠を含めて慎重に検討してください。

ヒアリングは客観資料を踏まえて行う

一般には、通報者から不足情報を補い、客観資料を確認し、周辺関係者、被通報者の順に進めると、証拠隠しのリスクを抑えやすくなります。ただし、被害防止や証拠保全のため順序を変更することもあります。

ヒアリングでは、誘導的な質問を避け、本人が直接認識した事実と推測を分けます。被通報者にも、認定の前提となる重要事実について説明・反論する機会を与え、反論を裏付ける資料を確認します。供述の一致だけでなく、メール、ログ、会計資料等との整合性を検討してください。


通報者の秘密保持と不利益取扱いの防止

秘密保持は、氏名を伏せるだけでは足りません。所属、役職、担当業務、通報時期、文体、固有の経験などから、通報者が推測されることがあります。

  • 共有範囲を限定する:案件番号を使い、通報者情報と調査資料を分けて管理します。
  • 共有理由を記録する:誰が、何のために、どの情報へアクセスしたかを残します。
  • 調査質問を工夫する:通報者しか知らない表現や日時をそのまま被通報者へ示さないようにします。
  • 関係者へ義務を説明する:秘密保持、報復禁止、証拠保全、調査への協力を明確に伝えます。
  • 通報後を追跡する:配置、評価、契約更新、業務分担、嫌がらせ、孤立等の変化を確認します。

不利益取扱いには、解雇・懲戒だけでなく、降格、不利益な配置転換、評価引下げ、契約更新拒否、仕事外し、嫌がらせなどが問題となり得ます。人事措置に合理的な理由がある場合でも、通報との関係を疑われないよう、通常の判断基準、比較資料、決裁経過を残します。

通報者だけでなく、調査協力者に対する報復も防止すべきです。職場で探索や嫌がらせが起きた場合は、事実を確認し、救済・回復、関係者への措置、再発防止を行います。


調査結果の認定・是正措置・社内処分

調査報告では、「疑いがある」「事実が確認された」「確認できなかった」を区別し、証拠と推論を分けます。確認できなかったことは、通報が虚偽だったことを意味しません。証拠不足、保存期間経過、関係者の退職などにより結論を出せない場合もあります。

是正措置は事実認定後に速やかに行う

法令違反が明らかになった場合は、被害の停止・回復、顧客や取引先への対応、行政機関への報告、契約の見直し、内部統制の改善など、事案に応じた是正措置を行います。是正後も、措置が機能しているかを確認し、不十分であれば追加措置を講じます。

不正会計が疑われる場合は、粉飾決算・不正会計が発覚した企業の初動対応、横領・架空請求等の場合は、従業員不正・横領が発覚した企業の初動対応も参照してください。

懲戒処分は調査と別の判断として行う

懲戒処分は、就業規則上の根拠、事実、証拠、故意・過失、被害、過去の処分との均衡、弁明の機会を踏まえて判断します。調査担当者が直ちに処分を決めるのではなく、人事・法務・経営の適切な決裁を経ることが望ましいです。

通報内容が結果的に認定されなかった場合でも、通報者を虚偽通報者として処分してはいけません。不正な利益を得る目的や他人を害する目的で、意図的に虚偽の事実を作出したことが客観的に確認できる場合は別ですが、単なる認識違いや立証不足とは区別します。


通報者への結果通知とフォローアップ

書面による内部公益通報について、是正に必要な措置をとった場合又は通報対象事実がないと判断した場合は、適正な業務遂行や関係者の秘密・信用・名誉・プライバシーを害しない範囲で、その旨を通報者へ通知する措置が必要です。

実務では、受領時、調査要否決定時、長期化時、終了時などに連絡できる体制を整えると、通報者の不安と外部流出リスクを抑えやすくなります。もっとも、処分の詳細、個人情報、営業秘密、調査手法まで開示する必要はありません。

  • 通報を受領したことと案件管理番号
  • 調査の要否又は現在の対応段階
  • 追加情報が必要な場合の連絡方法
  • 調査終了の事実と、可能な範囲での結論
  • 是正措置を実施したこと又は対象事実が確認されなかったこと
  • 不利益取扱いがあれば連絡してほしい旨

調査終了後も、一定期間は通報者や調査協力者の職場環境を確認します。評価、配置、契約、業務量、周囲の言動に変化があれば、通報との因果関係を含めて確認し、必要な救済措置を講じます。


2026年12月1日施行の改正公益通報者保護法への準備

2025年に成立した改正公益通報者保護法は、2026年12月1日に施行されます。施行前の時点でも現行法と指針への対応は必要ですが、企業は改正を見据えて規程・運用・研修を見直す必要があります。

改正の主な内容 企業の準備
一定のフリーランスと契約終了後1年以内の者を保護対象へ追加 窓口の利用対象、周知先、契約書、外部委託先対応を見直す
正当な理由のない通報妨害を禁止し、違反する合意等を無効化 秘密保持条項、誓約書、退職時合意、管理職の説明を点検する
正当な理由のない通報者探索を禁止 調査手順、アクセスログ利用、管理職への禁止事項を明確化する
通報後1年以内の解雇・懲戒について推定規定を新設 人事判断の根拠と通報情報へのアクセスを分離・記録する
通報を理由とする解雇・懲戒への直罰を導入 役員・管理職・人事担当者への研修と承認手続を強化する
従事者指定義務に関する行政権限・制裁を強化 指定書、担当者一覧、教育記録、委託先との役割分担を整備する
施行日前後の表現に注意

2026年12月1日より前の記事公開・社内説明では、現行法上の義務と施行後の新制度を区別してください。改正内容を既に施行済みであるかのように説明すると、社内規程や処分判断を誤るおそれがあります。

施行対応では、規程の文言だけでなく、窓口へのアクセス、匿名連絡、従事者指定、情報管理、利益相反排除、人事部門との連携、委託先管理、研修・周知まで実際に動くかをテストします。


公益通報対応で残すべき記録

通報対応の記録は、調査の再現性、是正措置の検証、通報者保護、取締役会への説明に必要です。保存期間は一律ではないため、法令、社内規程、時効、雇用・契約関係、個人情報、訴訟・行政調査の可能性を踏まえて定めます。

  • 受付日時、受付経路、通報内容、追加質問、受領連絡
  • 公益通報該当性、緊急性、調査要否、判断理由
  • 従事者・調査担当者・報告先・利益相反確認
  • 証拠保全指示、収集資料、アクセス履歴、原本管理
  • ヒアリング記録、本人確認・修正、反論資料
  • 認定事実、判断根拠、未確認事項、法律評価
  • 是正、処分、被害回復、当局報告、再発防止
  • 通報者への通知、不利益取扱いのフォローアップ

記録には通報者の氏名を必要以上に反復せず、特定情報を分離してアクセス制限を設定します。取締役会等への報告も、通報者を特定しなければ判断できない場合を除き、匿名化・要約化を検討します。


公益通報に関するよくある質問

匿名の公益通報でも会社は調査しなければなりませんか

匿名であることだけで調査不要とはなりません。内容が具体的で客観的に確認できる場合は、必要な調査を進めます。追加質問ができる匿名連絡手段を用意し、情報が不足する場合も、関連資料や同種事案の有無から確認します。

公益通報の要件を満たさない相談は対応しなくてもよいですか

法の保護対象に該当しないことと、会社が対応不要であることは別問題です。ハラスメント、社内規程違反、契約違反、安全上の懸念などは、別の法令や社内制度に基づく調査・是正が必要な場合があります。

被通報者に通報内容をすべて開示する必要がありますか

すべてを開示する必要はありません。ただし、事実認定や処分の前提となる重要事項については、通報者の特定防止や証拠保全に配慮しつつ、被通報者に説明・反論の機会を与える必要があります。

調査結果を通報者へどこまで伝えるべきですか

調査終了、確認された事実の概要、是正措置を実施したことなどを、関係者の秘密・名誉・プライバシーを害しない範囲で伝えます。個別の懲戒内容や営業秘密まで伝える必要はありません。

通報後に通常の人事異動を行うことはできますか

合理的な業務上の必要性があり、通報を理由としない人事措置まで一律に禁止されるわけではありません。ただし、時期、対象者、比較事例、本人への影響を確認し、通報と無関係であることを説明できる記録を残す必要があります。

経営者が被通報者の場合は誰へ報告すべきですか

通常の指揮命令系統を通すと独立性が失われるため、監査役等の監査機関、社外取締役、独立した外部弁護士などへの報告経路を利用します。証拠保全と緊急措置を含め、経営者の影響を受けない調査権限・予算・報告先を確保してください。


まとめ|公益通報は秘密保持と独立した調査を軸に対応する

公益通報を受けた企業は、通報者保護だけでなく、被害拡大防止、客観的な事実認定、被通報者の権利、法定報告、是正措置を一体で管理する必要があります。

  • 受付時から通報者を特定させる情報を限定管理する
  • 緊急性・証拠消失・利益相反を初期評価する
  • 関係者を外した調査体制で客観資料を先に保全する
  • 認定事実に応じて是正・処分・再発防止を行う
  • 結果通知後も通報者と協力者への報復を確認する

経営陣が関係する通報、外部流出のおそれがある事案、会計・品質・個人情報など専門性の高い事案では、社内だけで調査体制を決めること自体が利益相反となる場合があります。通報者情報の共有や被通報者への連絡を始める前に、独立した専門家へ相談することが重要です。

坂尾陽弁護士

内部通報制度の信頼は、窓口の設置ではなく、最初の一件をどう扱うかで決まります。秘密を守り、必要な調査を行い、通報後の職場まで確認する運用を、平時から準備しておきましょう。

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