企業法務の解決事例一覧|M&A・会社訴訟・顧問弁護士の活用

企業経営では、契約、資金繰り、人の入れ替わり、株主関係などが複雑に絡みます。トラブルが起きたとき、法令や判例の一般論だけでは「自社の状況で、何を優先して動くべきか」が掴みにくいことも少なくありません。

そこでこのページでは、企業法務の解決事例を課題別に整理し、「どこが争点になり、どんな材料をそろえ、どう着地させたか」という実務の流れがイメージできるようにまとめます。まずは全体像をつかみ、必要に応じて個別の事例や解説記事へ進んでください。

  • 課題別に整理した一覧から、近い状況の事例を素早く探せます
  • 「争点」「材料」「打ち手」のどこがポイントかを短時間で把握できます
  • 初動でやりがちな落とし穴(証拠・期限・社内対応)を避ける観点も整理します
  • 必要に応じて関連カテゴリや解説ページへ回遊できます

坂尾陽弁護士

読む順番に迷ったら、「いま困っている論点」に一番近いカテゴリから確認し、争点とゴールを短文で書き出してみてください。

執筆者:弁護士 坂尾 陽(企業法務・M&A担当)

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この解決事例一覧の使い方:自社に近いケースの探し方

解決事例は、単に「結果」だけを見ても再現できません。重要なのは、どこで争点が立ち、何を根拠に、どの順番で手を打ったかです。逆に言うと、同じ類型のトラブルでも、ここが違えば選ぶべき手段(交渉・通知・仮処分・訴訟等)が変わります。

このページは一覧としても使えますが、より実務に活かすために、次の手順で読むことをおすすめします。読み方を固定すると、社内で状況共有するときも説明がブレにくくなります。

まず「争点」と「ゴール」を言語化する

「相手が不誠実だ」「揉めている」という状態だけでは、適切な戦略が立ちません。最初に、争点(何が問題で、どこが割れているか)と、ゴール(最終的に何を実現したいか)を整理します。

  • 争点:契約違反なのか、支配権(株式・議決権)なのか、情報持ち出しなのか、未払い金なのかなど、問題の種類を特定する
  • ゴール:回収したい/差し止めたい/関係を続けたい/早期に終わらせたい/経営権を守りたい等、到達点を決める
  • 制約:期限(時効・通知期限・登記のタイミング等)、予算、取引先への説明、社内の意思決定プロセスなど、現実の制約を洗い出す

例えば同じ「契約トラブル」でも、ゴールが「継続」なのか「解消」なのかで、強い通知を先に打つべきか、合意の落としどころを探るべきかが変わります。事例は、争点・ゴール・制約の三点セットで置き換えると、判断のブレが減ります。

具体例として、次のように短文で書き出してみると整理が早くなります。

  • 取引先の未払い:争点=検収条件と請求根拠、ゴール=早期回収、制約=取引継続の必要性
  • 株主対立:争点=議決権・役員選任の適法性、ゴール=経営権の安定、制約=資金(買取原資)と株主間の情報差
  • M&A後の紛争:争点=表明保証・補償条項の解釈、ゴール=追加請求の抑制(または回収)、制約=通知期限・資料開示範囲

事例で見るべき5つの観点(決め手になりやすいポイント)

次に、個別の事例を読むときに、結果の裏側にある「決め手」を拾う観点を整理します。読み方を固定すると、案件が違っても応用しやすくなります。

  • ①時系列:いつ・誰が・何をしたか。通知や交渉の順番が結果に影響する場面が多い
  • ②契約・社内ルール:契約書、取締役会議事録、稟議、就業規則など、判断の基礎になるルールが何だったか
  • ③証拠の強弱:メール、チャット、見積書、ログ、会計資料など、主張を裏付ける材料が揃っていたか
  • ④相手方の状況:相手の資力、利害関係者(株主・取引先・従業員)の有無、譲れない条件が何か
  • ⑤打ち手の選択:交渉で終わらせたのか、仮処分・訴訟・労働審判等を使ったのか。選択理由は何か

特に「証拠の強弱」と「期限」は、後から取り返しがつかないことがあります。勝ち筋が薄い状態で強硬な通知を出すと、関係悪化だけが残ることもあります。まずは材料をそろえ、打ち手の候補を複数持ったうえで進めるのが安全です。

なお、最初の入口として「どの分野の事例を見ればよいか」迷う場合は、次のカテゴリから入ると探しやすくなります。

「カテゴリは合っているのに、しっくり来ない」と感じた場合は、争点がズレていることが多いです。例えば“回収したい”と思っていても、実際は“契約解除が有効か”が先に決まらなければ回収に進めない、といった順序があります。事例の中で「最初に何を確定したか」を追うと、次の打ち手が見えやすくなります。

相談前に準備すると良い資料(一般例)

弁護士に相談するか迷っている段階でも、最低限の資料をそろえておくと、見通しの精度が上がり、初動の手戻りが減ります。ここでは企業法務で相談が多い類型を前提に、一般的な資料例を挙げます(案件により不要なものもあります)。

  • 契約書・発注書・約款:契約の成立と範囲、解除条項、損害賠償、準拠法・管轄などを確認するため
  • 当事者の特定資料:登記簿、代表者、株主構成、権限規程(誰が合意できるか)
  • やり取りの記録:メール、チャット、議事録、録音メモ。時系列の再現に直結する
  • 金銭関係の資料:請求書、見積書、入出金履歴、売掛・買掛、貸付金台帳など
  • 内部資料:稟議、取締役会議事録、就業規則、秘密保持規程、アクセス権限の設定状況など(紛争の背景や社内手続の適否を確認)
  • 相手方からの通知:催告書、内容証明、訴状、仮処分申立書など(期限管理に必須)

資料が揃っていない場合でも、無理に整えてから相談する必要はありません。ただし、相手方に送る文面や、社内外への説明(取引先・従業員)を先にしてしまうと、後で修正が難しいことがあります。「まず何を言うべきで、何は言わない方がよいか」を含め、初動の整理だけでも早めに確認しておくと安全です。

また、社内の情報管理がテーマになる案件(営業秘密、顧客情報、競業など)では、端末・クラウドのログやアクセス権限、退職者の持ち出し経路など、時間が経つほど確認が難しくなる材料があります。慌ててデータを削除したり端末を初期化したりすると、かえって不利になることもあるため、対応の順番を決めてから動くことが重要です。

企業法務の解決事例一覧(分野別)

ここからは、企業法務の解決事例を分野別に整理して掲載します。まずは「近いテーマ」を選び、次に「争点(何で揉めたか)」「ゴール(何を守りたいか)」「制約(期限・資金・関係維持)」の3点が近い事例を読むのがおすすめです。

  • タイトルは実務上の争点が分かるように要約しています(詳細は個別ページへ)。
  • 金額・期間などは守秘義務の観点から一部内容を抽象化・一般化しています。
  • 同じテーマでも、契約条項や社内手続、証拠の有無で結論が変わることがあります。
  • 「自社の初動」を整理したい場合は、先に上の準備資料も確認してください。

各事例は、個別ページで「背景→争点→対応→結果→ポイント」の流れを把握できるようにしています。読んでいて「この論点が自社にも刺さる」と感じたら、早めに資料を確保し、社内窓口を一本化してから次の手段(交渉/手続/訴訟等)を検討すると安全です。

M&A・組織再編

会社分割や種類株式などの組織再編は、資金繰り・事業の切り分け・株主関係の整理に直結します。一方で、債権者保護手続や利害関係者への説明が欠けると「後からひっくり返る」リスクもあるため、設計段階から法務・手続を並走させるのがポイントです。

以下では、経営再建、非中核事業の売却、グループ内の事業集約、株主対立の整理、支配権の再設計など、目的別に事例を並べています。

この分野は、手続の順番と合意形成の設計で結果が大きく変わります。個別事例を読む際は、「誰の同意が必要か」「承継範囲・対価・期限は何か」「あとから争われやすいポイントはどこか」を意識すると、次の一手が見えやすくなります。

M&Aトラブル

M&Aは「契約書の整備」「株主の合意形成」「評価(バリュエーション)」「情報開示」のどこかが崩れると、後から請求・紛争に発展しやすい分野です。とくに少数株主の権利行使や帳簿閲覧請求などは、放置すると経営の主導権や資金が揺らぐことがあります。

以下では、契約不備の請求対応、少数株主対応、帳簿閲覧を契機とした整理、全株式譲渡による売却、経営権争いの収束など、紛争化した局面の事例をまとめます。

この分野は、手続の順番と合意形成の設計で結果が大きく変わります。個別事例を読む際は、「誰の同意が必要か」「承継範囲・対価・期限は何か」「あとから争われやすいポイントはどこか」を意識すると、次の一手が見えやすくなります。

事業承継

事業承継は「いつ・誰に・何を渡すか」を決めるだけでなく、株式の集約、役員構成、金融機関・取引先への説明まで含めた全体設計が必要です。候補者探索や条件調整が長引くと、現場の士気や取引継続にも影響が出ます。

以下では、買手探索から契約交渉までの一体支援や、オーナー株の買取交渉を契約化した事例を掲載します。

この分野は、手続の順番と合意形成の設計で結果が大きく変わります。個別事例を読む際は、「誰の同意が必要か」「承継範囲・対価・期限は何か」「あとから争われやすいポイントはどこか」を意識すると、次の一手が見えやすくなります。

企業紛争・会社訴訟

企業紛争は「感情」だけでなく、時効・出訴期間、契約上の手続、証拠の残り方などで勝ち筋が変わります。初動で発言や文書を誤ると、後から修正が難しいため、争点を早期に特定して手段(交渉/訴訟/審判等)を選ぶことが重要です。

以下では、貸付金請求訴訟、共同事業の精算、業務委託と労働者性(労働審判)など、紛争類型が異なる事例を並べています。

訴訟・審判を見据える場合は、証拠の整え方と主張の一貫性が重要です。相手方への返答や社内説明を先に固定してしまう前に、争点整理(何を争うか/何は争わないか)をしておくと、無駄な長期化を避けやすくなります。

知財・不正競争

営業秘密や顧客情報の持ち出しは、時間が経つほど証拠が散逸しやすい分野です。社内のアクセス権限やログの確保、関係者ヒアリングの順番を誤ると、抑止や回復が難しくなることがあります。

以下では、顧客情報持ち出しに対して刑事手続を活用し、捜査をスピーディに進めた対応事例を掲載します。

情報持ち出しの疑いがあるときは、感情的な追及よりも、まず証拠化と再発防止(アクセス権限・端末回収・規程の整備)を優先するのが安全です。刑事・民事のどちらを主軸にするかは、目的(抑止/回復/公表リスク)に応じて選びます。

顧問弁護士

日常の企業活動では、少額でも「放置すると大きくなる」トラブルが起きます。顧問弁護士を活用すると、契約書チェック、通知文の作成、交渉の落としどころ整理などを早い段階で行い、コストと時間を抑えやすくなります。

以下では、不動産賃貸のトラブル、更新料、売買契約のチェック、広告契約の中途解約、クーリングオフ可否の判断など、よくある相談テーマの事例を掲載します。

顧問弁護士が対応する案件では、早い段階で「問題範囲を小さくする」ことが成果につながりやすいです。事実関係の整理、相手方への連絡の順番、契約条項の読み替えなど、初動で迷う部分だけでも相談すると、結果的に工数と支出を抑えやすくなります。

解決事例から逆算する:企業法務トラブルの「初動」チェックリスト

解決事例を読んで「自社も近い状況かもしれない」と感じたとき、次に重要なのは初動です。企業法務の紛争は、初動での判断(誰が何を言うか/どの資料を確保するか/いつまでに何をするか)によって、同じ類型でも結果が大きく変わります。

ここでは、業種や案件類型を問わず共通して使える、最低限のチェックリストをまとめます。すべてを完璧に行う必要はありませんが、「証拠」「窓口」「期限」の3点だけは、できる限り早い段階で押さえるのがおすすめです。

特に社内で判断が割れているときほど、まずは「事実関係の確定」と「次の一手の選択肢」を切り分けると整理しやすくなります。初動でやるべきことは、結論を急ぐことではなく、結論を誤らないための土台作りです。

  • 証拠:一次資料とログを確保し、時系列を固める
  • 窓口:社内外の発言・合意を一元管理する
  • 期限:通知期限・出訴期限・保全の要否を確認する

社内調査(端末の確認、ログ取得、従業員へのヒアリング等)は、個人情報・プライバシー・就業規則・情報管理規程との整合を意識する必要があります。焦って強引に進めると、別のトラブル(労務・個人情報)を生むこともあるため、必要な範囲・手順を整理してから実施するのが安全です。

証拠・ログ・契約書を「後から困らない形」で確保する

トラブルが起きた直後は、社内外で情報が錯綜しがちです。しかし、後で交渉や手続に進むほど、「その事実を示す資料があるか」が核心になります。まずは、争点に直結しやすい一次資料を、改変されない形で確保します。

  • 契約関係の資料:契約書、約款、発注書、検収書、仕様書、見積書など(最新版と当時版の取り違えに注意)
  • やり取りの記録:メール、チャット、議事録、録音メモ(送信者・日時が分かる形で保存)
  • 金銭の裏付け:請求書、入出金履歴、売掛・買掛台帳、貸付金台帳など(「支払済み/未払い」の争点に直結)
  • 権限・意思決定の記録:稟議、取締役会議事録、社内規程(誰が合意できるか、手続の適否に関係)
  • データ・ログ:アクセスログ、更新履歴、端末管理情報など(情報持ち出しやシステム紛争では早期確保が重要)

保存の仕方は「見られる状態で残す」だけでなく、「真正性(いつ・誰が・どの端末で作成したか)」が疑われにくい状態を意識します。例えば、ファイルを上書き編集するのではなくコピーを作成し、原本は保全するといった運用が有効です。

また、資料が散らばっている場合は、先に「時系列メモ(箇条書きで可)」を作り、そのメモに対応する証拠を紐づけていくと、後で説明や主張が組み立てやすくなります。社内共有の段階では、主観的評価よりも「事実と根拠」を並べるのが安全です。

証拠になりそうだからといって、相手方のシステムに無断でアクセスしたり、端末やアカウントを不正に操作したりするのは避けてください。証拠収集が別の違法行為と評価されると、本来の争点よりもリスクが大きくなることがあります。

社内の連絡窓口を一本化して、発言・合意を管理する

紛争が長引く理由の一つに、「社内の言っていることがバラバラ」問題があります。相手方との交渉に複数部署が関与すると、意図せず不利な発言が出たり、合意の範囲が曖昧になったりします。初動では、社内の連絡ルールを最小限でよいので整えます。

  • 窓口担当(一次対応)を決め、原則として対外発信を一元化する(電話・メール・チャットも含む)
  • 社内の決裁ルート(誰が最終判断者か)を明確にし、口頭合意や軽い返信で確定させない
  • やり取り・資料を一つのフォルダ/管理台帳に集約し、最新版・確定版を区別する
  • 従業員への周知:相手方から連絡が来た場合は窓口へ転送する、個別対応しない、等のルールを共有する

窓口の一本化は、相手方に対して「この会社は整理できている」という印象を与える効果もあります。交渉は材料と同時に、姿勢(誰がどう意思決定するか)でも流れが変わるため、最初に整える価値が高い項目です。

加えて、取引先・金融機関・従業員など第三者への説明が必要な局面では、説明内容がブレると不安や誤解が拡大します。法的な主張を詰める前でも、「誰が」「どの範囲で」「どのタイミングで」説明するかの方針だけは決めておくと混乱を抑えやすくなります。

期限(通知期限・出訴期間・時効)と緊急性(保全の要否)を確認する

企業法務では、契約上の通知期限(クレーム期限、解除の手続、検収・瑕疵の扱い等)や、手続上の期限(訴状・仮処分の対応期限等)が問題になりやすいです。期限を落とすと、正しい主張があっても取り戻せないことがあります。

  • 相手方から届いた文書(内容証明、弁護士からの通知、裁判所書類など)を確認し、回答期限や期日を控える
  • 契約書に、クレーム通知、解除、損害賠償の手続に関する期限・前提条件がないか確認する
  • 金銭請求・返還請求などでは、一般に消滅時効や「いつ権利行使できるようになったか」が争点になり得るため、時系列を固める
  • 差し止めや資産保全が必要な場合(情報流出の拡大、資金移動の懸念等)は、仮処分・仮差押え等の選択肢も含めて緊急度を検討する

期限の確認は、手続に進むかどうかを決める前段階でも必須です。例えば「交渉で様子を見る」と判断する場合でも、交渉の出口(期限までに合意できなければ手続へ)を決めておかないと、時間切れになりやすくなります。

また、M&Aや組織再編に絡む紛争では、通知期限や補償条項の運用が争点になることがあります。契約文言と、実際の運用(誰がいつ把握したか)がずれると不利になる場面もあるため、事実関係を先に固めてから主張を組み立てるのが基本です。

交渉か、ADRか、訴訟か:手段選択の考え方(概要)

紛争解決の手段は、大きく「交渉」「ADR(あっせん・調停・仲裁など)」「訴訟・手続」に分かれます。どれが正解というより、目的と制約に応じて使い分けます。初動では、次の観点で整理すると選びやすくなります。

  • スピード:事業継続に影響するか、早期決着が必要か
  • 関係維持:取引継続の必要があるか、見せ方(文面・姿勢)をどうするか
  • 秘匿性:社外秘の情報、評判リスクがあるか(公開の場が適切か)
  • 強制力:合意だけで足りるか、強制執行や差し止めまで必要か
  • 証拠の整い具合:主張を裏付ける資料が揃っているか、追加取得が必要か

契約に仲裁条項、合意管轄、損害賠償の上限、準拠法などがある場合、選べる手段や見通しが変わります。まずは契約書と関連資料を確認し、「選べるルート」を把握したうえで、現実的な落としどころを探ることが重要です。

「まずは交渉で」という方針でも、交渉の文章や出し方次第で、相手が身構えて逆に硬化することもあります。争点が複雑な場合ほど、先に論点整理をしてから動く方が、結果的に早いことが多いです。

弁護士相談を検討する目安(「相談した方が早い」ケース)

解決事例はあくまで参考情報であり、最終的な見通しは、一次資料と具体的事情を踏まえて検討する必要があります。次のような状況では、社内だけで抱え込まず、早い段階で専門家の視点を入れた方が結果的に損失を抑えられることが多いです。

「相談=訴訟」ではありません。交渉の組み立てや、通知文の文言調整、社内対応の整備など、紛争を大きくしないための相談も含まれます。

こんな状況なら早めの相談が安全

  • 相手方から弁護士名義の通知や内容証明が届き、回答期限が切迫している
  • 支配権(株式・議決権・役員選任)に関わり、判断を誤ると経営に悪影響が出るおそれがある
  • 契約解除・取引停止・損害賠償など、一度出した通知が戻しにくい局面にある
  • 情報持ち出し・競業・信用毀損など、放置すると被害が拡大し、証拠が散逸しやすい
  • 相手方の資力が不安で、回収可能性を踏まえた戦い方の設計が必要
  • 社内の意思決定が割れており、誰が何を言うかで矛盾が生じやすい
  • すでに交渉が平行線で、訴訟等の手段切替を検討している

相談の目的は「すぐ訴訟をする」ことに限りません。争点を小さくし、交渉の着地点を作るだけで、紛争が長期化せずに終わるケースもあります。特に初動では、文面・説明・証拠の扱いの一つひとつが積み上がって結果に影響するため、早めに方向性を固める価値があります。

相談時に共有すると良い情報(時系列・資料・希望ゴール)

相談の時間を有効に使うために、次の情報があると整理が早くなります。完璧でなくて構いませんが、「いつ/誰が/何をしたか」の骨格だけは用意しておくと、見通しの精度が上がります。

  • 時系列:重要な出来事を日付順に(契約締結、納品・検収、通知、支払、会議等)
  • 関係者:自社・相手方の担当者、決裁者、株主、仲介者など(権限関係の整理に必要)
  • 争点の仮説:いま何で揉めているか(契約解釈、未払い、瑕疵、支配権、情報持ち出し等)
  • ゴールと優先順位:回収/差し止め/関係維持/早期終結/経営権確保など、譲れないもの
  • 手元にある資料:契約書、メール、請求書、議事録、ログなど(足りない資料も含めて共有)

弁護士には守秘義務があるため、相談内容が外部に漏れることは通常ありません。社内で情報が揃っていない段階でも、初動の整理(証拠確保・期限確認・窓口一本化)から進めることで、リスクを下げやすくなります。

依頼範囲の決め方:スポット対応から継続支援まで

案件によっては「通知文だけ作りたい」「交渉の方針だけ確認したい」など、スポットでの支援が有効なこともあります。一方で、複数の論点が絡む紛争や、再発防止まで含めて整理したい場合は、一定期間の伴走(顧問・継続相談)を組み合わせると、社内の判断がブレにくくなります。自社に合う関わり方を選ぶことが、コストを抑えながら成果を出す近道です。

よくある質問

解決事例一覧を読んだ読者の方から、よくある質問をまとめます。個別事情により結論が変わるため、当てはめに迷う場合は資料を確認しながら検討することが重要です。

同じような事例なら同じ結果になりますか?

必ずしも同じ結果になるとは限りません。企業法務では、契約条項(解除・損害賠償・通知期限など)、社内の意思決定手続、証拠の残り方、相手方の資力や姿勢によって、取れる手段と落としどころが変わります。事例は「争点・材料・打ち手」の見取り図として使い、最終判断は自社の条件に当てはめて行うのが安全です。

相談前に、社内でどこまで整理すべきですか?

最低限、①時系列(いつ何が起きたか)、②関係者(誰が関わるか)、③手元資料(契約書・メール等)、④ゴール(何を守りたいか)の4点があると整理が早くなります。一方で、社内で結論を出し切る必要はありません。むしろ、対外的な文面や説明を確定させる前に、論点整理だけ先に行う方が手戻りが減ります。

裁判所から書類が届いた場合、まず何をすべきですか?

訴状や仮処分などの裁判所書類が届いた場合、放置すると不利になることがあります。まずは書類の種類と期限(答弁書提出期限や期日)を確認し、社内窓口を一本化したうえで、関連資料(契約書・やり取り・会計資料等)を確保してください。事実関係が複雑なときほど、早い段階で見通しと対応方針を整理することが重要です。

まずは交渉で終わらせたいのですが、注意点はありますか?

交渉での早期解決は有力な選択肢ですが、出だしの文面(通知・メール)で争点を固定してしまうと、後で主張を修正しにくくなることがあります。また、期限がある類型では、交渉に時間をかけ過ぎると手続の選択肢が狭まることがあります。交渉を選ぶ場合でも、期限と出口(いつまでに合意できなければ次に進むか)を決めておくと安全です。

まとめ(要点)

最後に、本記事の要点を整理します。

  • 解決事例は「結果」だけでなく、争点・証拠・打ち手の順番を意識して読む
  • 自社に当てはめるときは、争点・ゴール・制約(期限/資金/関係維持)を短文で整理する
  • 初動は「証拠の確保」「社内窓口の一本化」「期限確認」を優先すると失敗しにくい
  • 難しい局面ほど、早めに論点整理をして戦い方(交渉/手続)を選ぶ

次のアクション:自社の状況に当てはめる

一覧から近い事例を見つけたら、次は「自社の現状を短く言語化する」段階です。社内で共有できる形に落とすだけでも、交渉や判断がブレにくくなります。

例えば、次の4点を1枚にまとめるだけで、打ち手の検討が進みます。

  • 争点:何が問題で、どこが割れているか(契約解釈/未払い/支配権/情報持ち出し等)
  • ゴール:最終的に何を守りたいか(回収/差止/関係維持/早期終結/経営権確保)
  • 制約:期限、予算、取引先への説明、社内の決裁スピード
  • 一次資料:契約書・やり取り・会計資料・議事録・ログ等、手元にあるもの/不足しているもの

この段階で「誰が決裁者か」「取引先や従業員への説明をどこまで行うか」まで決めておくと、交渉や手続に進んだときの手戻りが減ります。社内の議事メモや意思決定の根拠も残しておくと、後から経緯を説明する場面で役立ちます。

状況に応じた見通しを早めに確認したい場合は、企業法務の無料相談をご利用ください。費用の目安や考え方は弁護士費用にまとめています。

坂尾陽弁護士

迷ったときほど、まずは「資料の確保」と「期限の確認」だけ先に行うと、選べる手段が減りにくくなります。

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