【ひな形】顧問契約書テンプレート(Word/PDFで使える)|必須条項と印紙・電子契約の扱い

顧問契約書(顧問弁護士・専門家との継続契約)は、いったん締結すると「相談のしやすさ」「費用の出方」「トラブル時の動き方」まで、実務の運用が決まります。テンプレート(ひな形)を使えば効率的ですが、そのままコピペすると「含まれると思っていた業務が別料金」「解約手続が想定より重い」などの誤解が起きがちです。

このページでは、まず必須条項だけに絞った「顧問弁護士(法律顧問)向け」のひな形を提示し、最後に印紙・電子契約の扱いを整理します。顧問契約の全体像は、顧問弁護士とは?(総合解説)もあわせてご覧ください。

  • 顧問契約書テンプレート(必須条項のみ)と、各条項の“書き方のコツ”
  • 顧問弁護士・社外顧問(個人)・他士業で、契約書の前提がどう変わるか
  • 顧問料に「含める/含めない」を誤解なく書くポイント
  • 印紙が必要になりやすいケース/電子契約での扱い(結論+注意点)
  • テンプレ利用時の最終チェック(抜けやすい点)

執筆者:弁護士 坂尾 陽(企業法務・M&A担当)

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テンプレを使う前に決めるべき3つの前提

顧問契約書は、同じ「顧問」という言葉でも中身がまったく違います。ひな形を当てはめる前に、最低限、次の3点を言語化しておくと失敗しにくくなります。

  • 誰を顧問にするか:顧問弁護士(法律顧問)/社外顧問(個人のアドバイザー)/他士業(税理士・社労士等)
  • 業務の性質:相談中心(委任・準委任に近い)/成果物中心(請負に近い)/社内に常駐・指揮命令に近い(雇用に近づく)
  • 料金設計:月額固定+含まれる範囲/月額は“相談枠”中心で、作業はタイムチャージ/案件ごとに別料金

このページのテンプレートは、まず「顧問弁護士(法律顧問)」「相談中心」の形を基本として、必要に応じてオプションを足せる構成にしています。


「顧問弁護士の契約書」と「社外顧問(個人)・他士業の契約書」は分けて考える

混同されやすいポイントなので、先に整理します。テンプレートを選ぶときは「どの顧問の契約書か」を最初に固定すると、条項の取捨選択が楽になります。

  • 顧問弁護士(法律顧問):守秘義務・利益相反・依頼(事件)化したときの別料金など、法律実務特有の条項が重要
  • 社外顧問(個人アドバイザー):成果物・稼働時間・再委託・知財帰属など、業務委託(準委任/請負)寄りの整理が重要
  • 他士業(税理士・社労士等):業務範囲(法令上の独占業務)と、委任・請負の区分、資料提供義務などが重要

「まずは顧問弁護士を付けたい」「顧問料の中でどこまで頼めるかが不安」という場合は、顧問契約のご案内も参考にしてください。


【ひな形】顧問弁護士(法律顧問)契約書テンプレート(必須条項のみ)

以下は、企業が顧問弁護士(法律顧問)を付けるときに、最低限押さえておきたい条項に絞ったひな形です。社内の運用に合わせて調整してください(固有の事情がある場合は、個別にリーガルチェックを推奨します)。

表記例:委託者(会社)を「甲」、受託者(弁護士または法律事務所)を「乙」とします。

第1条(目的・委託の内容)

【例】甲は、甲の事業運営に関する法律上の助言その他の法律事務(以下「本件法律事務」という。)を乙に委託し、乙はこれを受任する。

第2条(業務範囲)

【例】本件法律事務の範囲は、原則として次のとおりとする。①日常の法律相談(電話・オンライン・メール等) ②契約書・規程等のレビュー(簡易なもの) ③紛争予防の助言 ④必要に応じた他専門家(税理士・社労士等)との連携に関する助言

【ポイント】「顧問料に含める範囲」と「別料金になりやすい業務」を、ここで“線引き”します。線引きの考え方は、顧問契約書のチェック項目で詳しく解説しています。

第3条(相談方法・窓口)

【例】甲は、原則として甲の定める窓口担当者を通じて乙に連絡する。乙は、相談の緊急度に応じ、合理的な範囲で優先順位を付して対応する。

【ポイント】「誰が窓口か」「緊急時の連絡方法(電話可否等)」を決めておくと、レスポンスの期待値が揃います。

第4条(顧問料・無料相談枠・割引)

【例】甲は乙に対し、顧問料として月額●●円(税別)を、毎月末日までに乙指定口座へ振り込んで支払う。

【例】顧問料の範囲で、月●時間(または月●件)までの法律相談を含む(以下「無料相談枠」という。)。無料相談枠を超える対応は、別途協議の上、報酬を定める。

【例】乙が訴訟・交渉・契約書の作成等の個別案件を受任する場合、乙は甲に対し、着手金・報酬金等を提示し、顧問先としての割引(例:●%)を適用することがある。

(オプション)格安プラン型:相談+割引中心、作業はタイムチャージ

【例】月額顧問料は、相談対応および顧問先割引を主たる内容とし、契約書の作成・交渉文書作成等の作業は、原則としてタイムチャージ(●円/時)により精算する。

(参考)格安顧問プラン(例:月額1,980円〜)の考え方は、顧問弁護士が安い(格安)プランは大丈夫?で整理しています。

第5条(実費・立替金)

【例】本件法律事務の遂行に必要な交通費、郵送費、印紙代、謄本取得費用等の実費は、甲の負担とする。乙が立替えた場合、甲は乙の請求に従い速やかに精算する。

第6条(契約期間・更新)

【例】本契約の有効期間は、●年●月●日から1年間とし、期間満了の1か月前までに当事者いずれからも書面による異議がないときは、同一条件でさらに1年間更新される。

第7条(解約・解除)

【例】当事者は、1か月前までに書面(電子メールを含む)で通知することにより、本契約を解約できる。

【例】当事者の一方が重大な契約違反をし、相当期間を定めて是正を催告しても是正されないときは、相手方は本契約を解除できる。

第8条(守秘義務・情報管理)

【例】乙は、本契約に関連して知り得た甲の秘密情報を第三者に漏えいしてはならない。甲が求める場合、乙は合理的な範囲で情報管理体制の概要を説明する。

第9条(利益相反)

【例】乙は、甲と利害が対立する相手方から同一案件に関する依頼を受けない。利益相反のおそれがある場合、乙は速やかに甲へ通知し、対応方針を協議する。

第10条(責任の範囲)

【例】乙は善良な管理者の注意をもって本件法律事務を遂行する。乙の故意または重大な過失による場合を除き、乙が負担する損害賠償の範囲・上限については、当事者で別途協議してこれを定める。

【ポイント】責任制限は入れ方次第で実務運用に影響します。ひな形を使う場合ほど、必要性を検討してください。具体的な範囲・上限を定めた場合は特約事項等に記載します。

第11条(反社会的勢力の排除)

【例】当事者は、反社会的勢力に該当しないこと等を表明保証し、違反があった場合には通知により解除できる。

第12条(協議・管轄)

【例】本契約に定めのない事項または解釈に疑義が生じた場合、当事者は誠実に協議して解決する。訴訟の必要が生じた場合、乙の事務所所在地を管轄する裁判所(または東京地方裁判所)を第一審の専属的合意管轄裁判所とする。


顧問料に「含める/含めない」を誤解なく書くコツ

顧問契約のトラブルは、金額そのものよりも「顧問料に含まれると思っていた」という認識ズレから起きます。テンプレを使うときは、次の整理を入れるだけで誤解が大きく減ります。

  • 含まれる相談の“上限”(例:月●時間/月●件/1回●分)を明示する
  • 別料金になりやすい作業(大量の契約書作成、交渉代理、訴訟対応等)を例示する
  • タイムチャージの単価と、精算単位(30分/1時間など)を明示する
  • 割引の対象(着手金のみ/報酬金も等)と、適用条件(顧問先限定等)を明示する

顧問料の相場感と料金体系の考え方は、顧問弁護士費用の相場で整理しています。


印紙は必要?電子契約なら不要?(結論と注意点)

結論として、印紙は「顧問契約だから必ず必要」というより、契約書が印紙税の課税文書に当たるかと、紙で作成するか(電磁的記録か)で扱いが分かれます。

  • 電子契約(電磁的記録):一般に、印紙税の対象にならない
  • 紙の契約書:内容によって、印紙税がかかることがある(代表例:継続的取引の基本契約に該当する場合など)
注意(よくある誤解)

「PDFで作ってメール送付=電子契約だから印紙不要」とは限りません。最終的に紙に出力して契約書(文書)として作成・交付している場合は、印紙が問題になります。運用(紙/電子)を統一しておくと安全です。

印紙の要否が不安な場合は、契約書のタイトルだけで決めずに「内容(請負/委任/基本契約等)」と「作成形態(紙/電子)」を前提に、税理士等の専門家と確認するのが確実です。


テンプレ利用時の最終チェック(抜けやすい5点)

最後に、テンプレを使うときほど抜けやすい点をチェックリストで整理します。

  • 業務範囲が「相談」なのか「作業(成果物)」なのか、境界が書けているか
  • 窓口(誰が連絡するか)と連絡手段(メール/電話/チャット等)が決まっているか
  • 顧問料に含まれる上限(時間/件数)と、超過時の精算ルールがあるか
  • 解約の予告期間と、引継ぎ・未払精算の扱いが現実的か
  • 守秘義務・利益相反が、実務の不安を潰せる粒度になっているか

「顧問契約を結ぶべきか迷っている」「今の契約が自社に合っているか不安」という場合は、顧問弁護士は必要?導入判断も参考になります。


まとめ

顧問契約書テンプレは便利ですが、必須条項だけでも“運用が回る形”に整えるのがポイントです。

  • まず「誰を顧問にするか」「業務の性質」「料金設計」を決めてからテンプレを当てはめる
  • 顧問弁護士向けでは、業務範囲・顧問料の線引き・解約・守秘・利益相反が中核
  • 格安プラン型は「相談+割引中心、作業はタイムチャージ」の書き方が向いている
  • 印紙は「課税文書か」「紙か電子か」で分かれる。運用を統一し、迷うなら確認する

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